夏の甲子園が中止となる見込みと報道された15日も、懸命に練習に取り組む聖愛高校の選手たち

 今夏の全国高校野球選手権大会が中止の方向で検討されていると報じられた15日、弘前市内の指導者や選手たちは、最大の目標である夏の甲子園が失われたことに「ショック」「悔しい」と口をそろえた。代替となる県や東北などの地方大会が開催されることに望みを懸け、球児たちは練習に打ち込んでいた。
 聖愛高校の原田一範監督(42)は同日午前、選手へ向けて「大会はなくとも野球を通じて学ぶことはたくさんある。右往左往せず、これまでと同じように頑張ろう」と呼び掛けたこれまで休校の影響で練習が思うようにできなかったが、7日からようやく全体練習を再開したところ。「3年生は甲子園を目指してやってきたのでかわいそうだし、自分も選手たちと甲子園を目指せなくてつらい」と心情を漏らした。齋藤拓哉主将(17)は「悔しいが、これまでやってきたことは間違いでないと信じている。後輩たちには来年以降の甲子園出場に向け、自分たちのやるべきことをやってほしい」と気持ちを切り替えようとしていた。
 弘前東高校の葛西徳一監督(34)は「現状で全国大会を行うにはクリアしなければならないことが多過ぎる。野球に限らず、どの部活の3年生も無念だが、中止は致し方ない」と話す。「球児であれば誰もが目標にしていた舞台。自分が同じ立場なら、きっとどんな言葉を掛けられても響かない。ただ、大会中止がすべての終わりではないことはきちんと伝えたい」と、選手たちをおもんぱかった。
 「20日には高野連で無観客試合についてのガイドラインが決まると聞いていたので、中止決定の報道は寝耳に水」と驚いたのは東奥義塾高校の奥谷恭史部長(39)。昨秋、62年ぶりの出場となった東北大会で8強入りするなど、今季は保護者や学校関係者からの期待も大きかっただけに「やるせない」と肩を落とした。同校の小田桐裕也主将(17)は「春のセンバツやインターハイの中止を聞いたときから、夏の大会もなくなるだろうという不安はあった。ただ、甲子園がなくても青森県のチャンピオンになるという目標を持って練習を続ける。県大会は開催してほしい」と話す。工藤秀樹監督(41)も「夏の大会がなくなっても県王者を決める大会があると信じて練習しようと声掛けしている。どうにか実施してもらいたい」と強調した。
 弘前実業高校の三上暁郎部長(34)は「うちの部員は高校でやめる子がほとんど。懸けてきた目標がなくなり、何のためにやってきたのかと思う。選手たちはすでにショックを受けている」と語り、「それでも選手たちは大会があるものとして頑張っている。自分勝手な言い分かもしれないが、東北大会まではどうにか実施を検討してほしい」と望んだ。