工藤さん(右)の指導を受けながら王林の摘花を行う山本さん

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による休職者と、人手不足に悩む農家をマッチングさせる弘前市の「休職者等農業マッチング緊急支援事業」の取り組みが広がりを見せている。15日現在で少なくとも21人の休職者が臨時作業員として雇用され、生活の維持と農産物の安定生産につながるとして双方から歓迎の声が上がっている。
 同事業は休職・自宅待機などを余儀なくされた市民らを農業生産現場で受け入れた際、雇用主に対して1日当たり3000円を上限に賃金実支出額の半額を補助する。すでに支払い済みでも、申請すれば4月1日以降の実支出を元に補助金を支給する。マッチングはつがる弘前農協の無料職業紹介所などを通じて行う。
 15日はマッチングが成立した同市新法師の工藤司さん(67)のリンゴ園で作業状況が報道陣に公開された。
 工藤さんの園地では、同市茂森町のあきたや(秋田和寛代表取締役社長)の従業員山本篤志さん(59)が夫婦で働いている。同社が経営する総合宴会場「サンパレス秋田屋」では3月末から予約の取り消しが相次ぎ、これまでに約1万食分がキャンセルされるなど大きな影響が出たため、4月20日から休業していた。秋田社長は「従業員の減少した収入を補うためにマッチングの利用を決断した」と話す。
 園地は現在、摘花作業が最盛期を迎えている。工藤さんは「アルバイトを2、3人ほど雇いたくても見つからなかったので助かった。補助金で人件費も抑えられる」と感謝。山本さんは「休職手当だけでは生活が困難だったので良い取り組み」と話した。
 15日、現地を視察した櫻田宏市長は「働いて少しでも収入を得ることは生活の維持につながる。多くの方々が農業に携わるよう声掛けしていきたい」と語った。
 就労先の農家を探す場合は市農政課(電話0172―40―7102)、賃金の支援を希望する場合は市りんご課(電話0172―40―7105)へ。