12日開会の臨時会に提案する、新型ウイルス対策の一般会計補正予算案の概要を説明する三村知事

 県は11日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を盛り込んだ2020年度補正予算案の概要を発表した。感染拡大防止策のほか、経済活動の回復、雇用維持と事業継続支援策として総額46億6000万円を計上。予算の主軸は新型ウイルスに係る相談や検査、入院の業務を担う保健所や医療機関などの全面的な機能強化で、12日に開会する県議会臨時会に提出する。
 11日の記者会見で県が説明。補正予算の財源は国庫支出金19億856万円と、財政調整基金を26億1786万円取り崩し充てる。取り崩し後の基金残高は、今年度末見込みで110億6500万円。昨年度からの新型ウイルスに係る予算措置は今回の補正予算案を含め、累計で453億円余りとなっている。
 通常、5月に大規模な補正予算を組むことはほぼなく、東日本大震災発生直後の11年5月の約177億円に次ぐ予算規模となった。
 感染拡大防止策と医療提供体制の整備には、予算総額の7割近くを占める30億9805万円を盛り込んだ。このうち、検査体制の強化として全自動PCR検査装置2台の更新などに2億8213万円を計上。フル稼働した場合、新装置2台で1日最大96検体の検査が可能となり、1日最大40検体の現行装置2台と比べ、検査能力が2倍以上にアップ。1回当たりの検査に要する時間も現行より2時間ほど短縮し約4時間となる。
 県は現在、感染症用の入院病床を県内に99床確保しているが、今後は149床に拡大する方針で、経費として1億2142万円を盛った。
 入院病床は重症者を優先するため、患者が増えた場合に軽症者らを受け入れる宿泊施設の確保などに6億7615万円を計上。すでに30室を確保済みの青森、弘前、八戸の3市で各100室、それ以外の3圏域で各50室の合わせて450室の確保を目標に掲げる。
 このほか、各保健所の「帰国者・接触者相談センター」の機能強化として医療機関とのホットライン設置や相談員に外部看護師らを追加配置するのに4000万円、「帰国者・接触者外来」で一般外来と分離する簡易診療室やパーテーションなどの整備支援として4億303万円、医療機関に提供する医療用マスク12万枚の購入費に4800万円を計上。
 社会福祉施設に関しては、感染拡大防止に使う資機材の購入支援、休業要請による通所から訪問サービスへの切り替え支援、介護ロボットや情報通信技術(ICT)の導入支援に係る予算を盛り込んだ。
 県は11日、庁内で危機対策本部会議を開き、補正予算の内容などを各部局で共有。その後の記者会見で三村申吾知事は「(新型ウイルスは)長く見ていかないといけない」と長期戦の構えを示し「V字回復は難しいが、緩やかに、かつ確実な回復に向け、立て直しのスタートを切るための決意と覚悟の予算」と力を込めた。
 東日本大震災やリーマン・ショックといった過去の危機対応とは異なる疾病ならではの対応の難しさに触れ「次の手の打ちにくさとして(感染拡大のリスクがある疾病の場合の)安全・安心の示し方と積み重ねの度合いが非常に厳しい」とした。