独自ルートで確保したマスクが置かれた弘前市内の商店前

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、大手ドラッグストアやコンビニエンスストアでは不織布マスクがすぐに売り切れてしまう品薄状態が続いている。このような状況の中、弘前市内では長年の取引で培った独自ルートを生かし、マスク販売をする地元商店が見られるようになっており、マスク不足を懸念する地域住民の一助となっている。
 同市土手町の老舗衣料品店「暮らしの衣料ストー」は現在、不織布マスクのほか、アルコール洗浄タイプのハンドジェルといった新型ウイルス感染防止対策の商品を通常より多く入荷し、販売している。以前から商品として扱っていたが、新型ウイルスの影響でマスクを入手できない常連客が増加。ニーズに応えようと予約注文で対応し、3月ごろから一定量を確保できるようになったという。
 衣料品の仕入れとも関連する独自ルートを生かしたもので、仕入れ値が上下する状況から販売価格も一定にできない状態だが、飛沫(ひまつ)対策のフェースシールドも含め、さまざまな客の要望に合わせた品を用意。店側は「ドラッグストアなどの品ぞろえが戻るまで、地域の方々にマスクを提供することも地元商店の役割」と話す。
 同市代官町の事務用機器店「オフィスマーケット」も不織布マスクを確保し、店頭に出している。取引先から独自に確保し、転売目的の客による購入が起きないよう注意を払いながら販売を続けているという。同店は「マスクをインターネット購入できなかったり、店に並んだりできない高齢者は市内に多い。そういった層に届けられたら」とする。
 市内大手ドラッグストアのあるスタッフは「一時期はマスク購入を目的に、開店前からお客さまが並ぶ日が続き、混乱を招かないよう朝から店に置かないようにした」とし、「市内商店でマスクが置かれるようになってから、マスクへの問い合わせも落ち着いたので、正直ありがたい」と市内商店の取り組みに感謝する。
 別の市内薬局も「以前は電話が鳴りやまず、県外からもマスクの問い合わせが来るほどだったが、マスクに関しては落ち着き、体温計やその電池への需要が高まっている状態」と現状を指摘する。
 地元商店でマスクを購入していた女性は「自分だけでなく、県外に住んでいてマスクを購入できない子どもに送りたい。地元でマスクを買えるのは助かる」と話した。