異例のシーズンを迎えながらも、いつもと変わらぬ見事な花を咲かせた弘前公園内のソメイヨシノ=4月30日、弘前公園下乗橋

 弘前市公園緑地課は7日までに今年の弘前公園の桜(ソメイヨシノ)の開花が4月19日だったと公表した。当初は過去最速の早咲きが予想されたが、4月に低温が続いたことから昨年並みの開花となった。開花後の気温も平年を下回って推移したため満開は園内で3日間、外堀では6日間程度続くなど花の持ちも良かった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、100回目の節目となる弘前さくらまつりの中止に加えて、弘前公園も閉鎖されるという異例のシーズンだったが、桜守の3人は「来年こそは見事な桜を見てもらいたい」と決意を新たにしている。
 祭りは弘前公園で4月23日に開幕予定だったが、弘前市など主催4団体は、新型ウイルス感染拡大防止のため中止を決定。公園も閉鎖したため、同課が例年発信している桜の開花情報は、今年発表されなかった。
 今年の標準木については、3月27日の第3回開花予想で、統計を取り始めた1947年以降で最速となる4月12日の開花が見込まれたが、4月の低温続きの影響で大きくずれ込み、平年(23日)より4日早く、昨年と同日の開花となった。満開は27~30日だった。外堀は18日から19日にかけて開花し、25日~5月1日に満開となった。桜のトンネルは4月20日開花、満開が28~30日だった。
 新型ウイルスの影響で公開されなかった弘前公園の桜。同課樹木医(桜守)の小林勝さん、橋場真紀子さん、海老名雄次さんにとっても経験したことのない春となった。
 小林さんは「大型連休に入った頃に花がなくなる予想だったが、4月に入って急に寒くなり、結果的に花の持ちも良かった。気温に左右されるのが開花の性質だが、特に4月の気温の影響が大きい。桜は年によって咲きぶりが違うことを改めて感じた。総じて今までにない桜の季節だった」と振り返った。
 「非常に寂しい春だった」と話すのは海老名さん。「例年と違う不安定な気候だったが、桜はいつも通りよく咲いてくれた。ただ、公園が閉鎖して祭りもなく、桜だけ咲いているのは寂しいとも感じた。来年もいい花を咲かせ、協力してくださった市民の皆さんを来年こそはお迎えしたい」と力を込めた。
 橋場さんは「ソメイヨシノの開花は結果的に昨年並みとなったが、それでも例年より早い。今後は10年、20年後を考えて遅咲きの桜で見どころをつくることが必要」と話す。「祭りも100回続くといろんなことがある。100年後、その先も、弘前の桜を守るため、現場職員も含めたチーム桜守が一丸となって、今できることをやっていく。その使命を強く感じた年になった」とまとめた。