新型コロナウイルスの影響で、多くの温泉旅館が臨時休業となっている黒石温泉郷。大型連休後も再開できるかは不透明で、関係者は今後の経営に頭を悩ませている

 新型コロナウイルスの影響が全国に広まっている中、本県を代表する温泉地である黒石市の黒石温泉郷でも、多くの宿泊施設が休業を余儀なくされている。早いところでは4月頭から休業しているところや緊急事態宣言の延長で休業期間を延ばした施設もあり、関係者は「例年大型連休は予約で埋まるので、大きな稼ぎ時を失った。こういう状況なので仕方ないが、再開しても人が来てくれるのか心配」などと先の見えない状況に不安を隠せないでいる。
 同温泉郷は板留、青荷、落合、温湯の四つの温泉と15の宿泊施設があり、大型連休時はどの施設にも県内外や海外から毎年大勢の観光、宿泊客が訪れる。しかし、新型コロナウイルスの影響で続々と予約がキャンセルとなり、緊急事態宣言が全国に広まったことも踏まえほとんどの施設が臨時休業を決断。県内在住者のみを対象に日帰り入浴だけ対応しているところもあるが、6月末まで休業する施設もある。
 ランプの宿として知られる青荷温泉。当初は休業期間を4月22日から5月6日までとしていたが、緊急事態宣言の延長を踏まえ同31日まで延期した。原田篤久社長は「4月の収入は例年のほぼ1割。今は7日以降の予約についてこちらからお断りをしている状況で、6月から再開できればいいが、緊急事態宣言がさらに延びればこちらも(休業が)延びてしまうのではないか」と話す。
 4月17日から6月30日まで休業とした落合温泉の津軽・花詠みの宿「花禅の庄」。おかみの石澤照代さんは「コロナ禍が終息に向かうと信じて予約をキャンセルせず待っていてくれた方もいたが、お客さまと従業員の命を最優先してお断りさせていただいた」とし「今は最低限のスタッフで館内の清掃や温泉、湯船の管理などをしている状態。早く終息してほしい」と祈る
 他の施設からも「黒石よされをはじめ県内の夏祭りも中止となり、夏まで予約がない可能性もある」「営業を再開してもどれだけの人が来てくれるか分からない」などの声が上がっている。黒石市が事業継続緊急支援金として宿泊業などを対象に1事業者当たり10万円の給付を発表していることについて、関係者らは「支援してくれることはありがたい」としながら「緊急事態宣言がさらに延びれば体力的に持たないところも出てくるのでは。県や国には協力金や助成金制度等の充実をお願いしたい」と事業存続へ向けた支援を強く望んでいる。