弘前市出身で東京都在住の写真家、櫛引典久さん(60)撮影による写真集「東京旧庭 TOKYO VINTAGE GARDENS」が玄光社から発行された。
 浜離宮恩賜庭園や小石川後楽園など

「東京旧庭」表紙
華やかな都立庭園の写真約100点を掲載

東京都内9カ所の都立庭園の写真約100点を掲載。庭園の持つ意匠や色彩、空間構成を独自の視点で撮影している。「混沌(こんとん)さと規則性、相反するものが同居する東京という都市の特性と共に、整備された庭園の美しさを華やかなイメージで切り取っています」と櫛引さん。東京の魅力の一つとして国内外に発信したいと、主要な紹介文を和英文並記としている。
 櫛引さんの写真の素地には普遍的な美への探求がある。大学卒業後にファッションの仕事で滞在したイタリアで美術館を見て回り、100年、200年たっても変わらない美しさを体験して審美眼を磨いた。培った感性で撮った写真が評価され、写真家としてのキャリアを積み重ねてきた。
 富裕層会員誌「SevenSeas」のフォトディレクターを務め、ジョルジオ・アルマーニなどのVIPや世界各地の芸術、世界遺産を撮影。都立庭園は東京都公園協会の依頼で長年にわたって撮影し、今回の写真集発刊に至った。
 約20年世界を巡ってきた櫛引さんを今、引き付ける存在の一つが故郷弘前だという。小学生の時に父親から教わり、初めて手にしたカメラで撮ったのは弘前城や元寺町の弘前教会だった。「日本家屋と教会が共存し、お城があって桜もある。弘前には多面的な魅力がある」。
 被写体の持つ魅力を引き出して解釈し、撮影した写真を見た人が心を動かされ、喜んでくれることが一番大切なことだと櫛引さんは話す。だからこそ弘前の魅力を写真で残したいと願っている。「大好きな弘前に写真で貢献したいですね」。
 「東京旧庭」はA4変形判正方形。オールカラー132ページ、2000円(税別)。