新型コロナウイルスの感染拡大予防のため教育機関の休校が続く中、弘前市内の私立校や一部大学で、情報通信技術(ICT)を活用して学習支援に役立てる動きが広がっている。遠隔授業や課題・宿題の配信といった学習の支援に加え、オンラインで学生の心身状態を把握したり、ホームルームや部活動の連絡事項を共有したりするなどの取り組みも見られる。
 新型ウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化を踏まえ、文部科学省はインターネットなどによる遠隔授業の導入へ対応を急いでいる。児童生徒の家庭学習については、今月上旬、授業と同じく学習評価に反映できるとする通知も出した。
 こうした国の動きに先駆け、市内の私立高校ではICTを活用し、学習進度の確保や連絡事項の共有に役立てる動きが見られる。
 聖愛中学高校は、臨時休校に入った22日以降、全校生徒を対象に1日3コマの時間割に沿ってウェブ学習サービス「スタディサプリ」などを使った課題の提出や添削を行っているほか、検温結果の報告といった健康観察もオンラインで実施。ネット端末を持たない生徒にはタブレット端末を貸し出すなどしている。聖愛高校3年の福士美羽さんは「先生やクラスメートの声が聞こえるので一人で勉強するよりも集中できる」と遠隔授業の感想を語った。
 東奥義塾高校は以前からICT教育の充実に向けた環境整備を進めており、クラウド型の教育プラットフォーム「クラッシー」や、校内全館への無線LANを導入済み。今年度は1年生にタブレット端末を1台ずつ無償で支給した。
 このため、アプリを使った学習課題の送受信、オンラインでホームルームや部活動の連絡などを行う態勢に、臨時休校初日から速やかに移行できたという。同校の木村隆博教頭は「ICT教育の充実に向けたこれまでの準備が生きた」と話した。
 弘前大学は、全学の教養教育科目、教育学部など3学部の専門科目を対象に、前期授業が始まる5月11日から遠隔授業やオンデマンド型授業を行う。同大によると、端末を所有していない学生約100人にパソコンを貸し出す準備が整いつつあるという。また、新型ウイルスの感染拡大で家庭学習する学生向けに、一定の通信データ量を無償化する大手通信事業者のサービスを活用するよう呼び掛けている。
 このほか、東北女子大学は遠隔授業を導入する方向で検討中。弘前学院大学も一部の学部で導入を検討している。
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