新型コロナウイルスの感染拡大により外出や移動の自粛要請が強く呼び掛けられている中で迎えた週末の25日。例年は弘前さくらまつりでにぎわう弘前市の弘前公園は、祭りの中止と同公園閉鎖により外堀周辺の人通りはまばらだった。市民に感染防止意識が広まっている証左と言えそうだが、一方で花見目的と見られる通行車両が多く、各所で車列を作った。市などは弘前からの感染者を出さないよう、不要不急の外出や移動を引き続き強く呼び掛けている。
 弘前さくらまつりは例年、200万人以上の人出があり、外出自粛要請が出ている中でも休日は弘前公園周辺が混み合う事態が予想されることから、市は25日から職員による巡回を強化。人の滞留を生まないよう注視している。
 例年は花見客でごった返す外堀周辺だが、同日は歩道を行く通行者はまばらだった。時折足を止めてカメラやスマートフォンで撮影する市民も見られたが、人が密集するような状況はなかった。
 一方で花見目的とみられる外堀周辺の通行車両は多く、午前中から夕方までにかけ、ローソン弘前公園前店付近から津軽藩ねぷた村までの区間と、弘前市民体育館脇の一方通行区間で渋滞が断続的に発生した。
 外堀周辺の通行車両のほとんどは青森ナンバーだったが、八戸や秋田など隣県のナンバーも散見され、中には感染者が増加している「特定警戒都道府県」対象地域の登録車両も見られた。通行車両すべてが観光目的とは言い切れないが、市の担当者は「車での花見も控えるよう求めているので残念なところ」とした。
 24日には、本県など東北6県と新潟県、仙台市、新潟市が「東北・新潟緊急共同宣言」を発表し、圏域一体で移動自粛を呼び掛けた。弘前市でも櫻田宏市長が10日、弘前公園周辺の花見を遠慮するように訴え、誘客につながるとして、SNS(インターネット交流サイト)などでの桜の開花情報の投稿や拡散も自粛を要請し、徹底して感染リスクを抑えるための情報発信を重ねている。
 弘前消防署によると、25日の救急出動に際して緊急車両の通行が妨げられるなどのトラブルは確認されていないが「現場にいち早く到着するため最短距離の道路を通行することになっている」としており、今後通行量の増加が続けば、救急活動に支障が出る可能性もある。市などは引き続き、SNSなどを通じて市民と県内外に公園周辺での花見の自粛を呼び掛けていく。
【写真説明】弘前公園外堀周辺では、花見目的とみられる通行車両により断続的な渋滞が発生した=25日午前10時40分ごろ