弘前市は24日、新型コロナウイルスの影響で経済的打撃を受けている飲食業者らを対象に、賃料1カ月分を10万円まで補助するほか、休職者らを臨時作業員として雇用した農業生産現場での賃金を一部補助するなどの独自支援策を明らかにした。櫻田宏市長は「経済対策には中長期的に対応したい」とし、今後も独自支援策を打ち出す構えを示した。
 市は同日、財政調整基金などを財源とした新型ウイルス対策費として5億2850万円を追加し、総額780億4006万4000円とする2020年度一般会計補正予算の内容を市議会議員全員協議会で明らかにし、同日付で専決処分した。
 市は今回特に、自粛のあおりで深刻な状況にある飲食業者らへの支援を重点的に実施。従業員5人以下の卸売業、小売業、飲食業、サービス業を営む事業者を対象に「小規模小売・飲食業等事業継続応援補助金」として4億円を計上。
 3月から申請時点までに支払った事務所・店舗の賃料1カ月分について10万円まで補助するもので、対象となる市内事業者をほぼ網羅する4000件への支援を想定。申請期間は30日~6月30日。市ホームページからダウンロードした書面を使い郵送する方式で、早ければゴールデンウイーク明けにも交付できるよう対応を急ぐ。
 また休職者らと人手不足に悩むリンゴ生産者らをマッチングさせ、臨時作業員として雇用する「休職者等農業マッチング緊急支援事業費補助金」に1億500万円を計上。休業を余儀なくされた飲食店従事者や、アルバイト先がなくなった大学生、業績悪化で解雇された人を支援する。
 同事業は市民に加えて市内に通勤・通学する人も支援対象とし、今月から11月30日までの農業生産に従事した場合、賃金実支出額の2分の1(1日1人当たり上限3000円)を雇用先の農業者に交付する。
 一方で「弘前エール飯」のように、人が集まらないよう配慮しながら店の売り上げ回復を図る広告・宣伝経費を一部補助する「事業者売上回復応援補助金」に1800万円を計上。商工関係団体や5事業者以上で構成する団体を対象とし、上限90万円で20団体の支援を見込む。
 マスクなどの衛生物資が不足する中、マスク・消毒液を必要な施設に配布する予算として500万円を計上したほか、国のマスク配布事業の対象外である3歳以上の就学前児童に、マスクキットなどを購入・配布する予定の弘前青年会議所に50万円を交付し、事業を半額助成する。
 また市は24日、緊急雇用対策として会計年度任用職員10人を新たに募集することをホームページに掲載。任用期間は5月~21年3月で、選考は5月中旬に行う予定。
 櫻田市長は「厳しい状況にある方々を救うための制度。国でもさまざまな経済対策が行われるが、市も独自に第2弾、3弾、4弾と中長期的に対応したい」と今後も支援策を講じる考えを示した。
 市の支援策について、弘前商工会議所の清藤哲夫会頭は「現場の声を集めた上で伝えた要望が反映されていてありがたく思う。この難局を乗り切るために今後も知恵を出し合って官民で連携していきたい」と述べた。
【写真説明】市議会議員全員協議会で市の独自支援策を説明する櫻田市長