新型コロナウイルスの飛沫(ひまつ)感染防止に向け、中南地域の多くの自治体で、庁舎窓口にビニールカーテンやアクリル板を設置する動きが広がっている。窓口業務を行う金融機関や農協などの各種団体も導入を進めており、感染防止対策を早急に講じるため簡易的なビニールカーテンなどを自作する取り組みも見られる。
 新型ウイルス防止対策としてのビニールカーテンの導入をめぐっては、今月上旬、政府の緊急事態宣言を受けてコンビニエンスストア大手各社がいち早くレジカウンターへの設置に着手。県内でもコンビニに加え、ドラッグストアやスーパーなど小売店を中心に設置が進んでいる。
 緊急事態宣言の対象地が全国に拡大した16日以降、県内では小売店以外にもビニールカーテンやアクリル板を導入する動きが広がっている。
 弘前市は23日現在、本庁舎内25課の窓口に加え、ヒロロスクエア内の総合行政窓口、弘前総合保健センター内の健康増進課などにビニールカーテンやアクリル板を設置。今後は総合支所や分室にも順次導入する。
 設置済みの窓口のうち、1日約600~800人が来庁する市民課窓口は“市役所の顔”。感染防止に向け、来庁者が隣り合わないよう窓口を等間隔に開けて開設し、待合スペースの椅子も平常時より間隔を広げて設置している。同課窓口で手続きを済ませた市内の無職秋元和夫さん(77)は「カーテンがあっても職員との会話に差し支えはなく、お互い安心してやりとりができる良い対策」と取り組みを評価。蒔苗元市民課長は「感染リスクへの不安を少しでも減らしたい。多少の不便を感じる方もいると思うが、ご理解いただければ」と話した。
 このほか中南地域の自治体では、16日から23日にかけて平川市、大鰐町、藤崎町が順次、庁舎や公共施設の窓口にビニールカーテンを設置。黒石市や西目屋村、田舎館村も設置の方向で検討を進めている。
 こうした動きに伴い、全国的にビニールカーテンの発注が集中し、入荷が遅れるケースも出てきている。業界大手のイノベックス(東京)では「規格によっては通常2、3日の納期が週単位まで伸びており、工場をフル稼働し増産の強化体制に入り対応している」(同社PR事務局)。このため窓口業務を行う県内の民間団体では、早急な飛沫感染防止対策に向けカーテンなどを自作する取り組みも見られる。
 青森銀行は、透明のフィルムを使った簡易的なスクリーンの作製方法や材料の調達先などを全支店へ案内し、各支店が独自の判断で作製、設置している。ビニールカーテンも導入の方向で検討中だ。
 つがる弘前農協は、農業資材のビニールを使って縦約2メートル、横約1メートルのカーテン約50枚を作り、本店と全支店の窓口に順次設置。いち早く20日に導入した本店では、利用客から「話し声がやや聞こえにくい」と指摘を受け、カーテン上部に隙間を設けるなどの改善を図った。同農協総務課は「多少の不便はあるかもしれないが、ウイルスの感染拡大防止に向けて大事な時期。ぜひご協力いただきたい」と理解を求めた。
【写真説明】新型ウイルスの飛沫感染防止に向け、市民課窓口にビニールカーテンを設置した弘前市役所