まさや・きょうこ
 岩手県洋野町出身。現国立病院機構仙台医療センター附属仙台看護助産学校助産婦科卒。むつ総合病院、八戸平和病院などで看護管理者を経験。2018年6月から現職。

  県内でも感染が確認された新型コロナウイルス。医療従事者は職場で感染のリスクにさらされ、自宅に帰っても家族に感染させまいと気を抜けない日々を送っている。県看護協会の柾谷京子会長(64)が本紙取材に応じ、県内の看護職を取り巻く状況や課題などを語った。
 ―県内の看護職が置かれている現状は。
 自分たちが感染するかもしれないという緊張の現場で、命懸けで患者のそばにいる。人手については、今年はインフルエンザで休職する看護師が少なかったこともあって、県内は現状の人数で何とか回せている状況。しかし、新型ウイルスの対応が優先されるため、ほかの業務も多忙になっている。急ぐ必要がない手術は期日を延ばしている病院もある。今後、本県で感染者が増えれば、感染症担当以外の看護師が訓練を積んで対応することも想定される。
 ―現場の看護職が求めていることは何か。
 これ以上の感染拡大がなく、県民が正しい知識と自覚を持つことを望んでいる。人員確保や医療物資の確保などで安心して働ける職場環境づくりと、看護職に対して差別や偏見をせず、正当な評価が得られるよう、手当や妊婦の保護が行われることを国や県などに求めたい。現場からはマスクや防護服などの資材が不足しているという声があり、感染者が発生した地域の保健師からは「疲れた」「人が足りない」との声も聞かれた。協会では3月、通常業務に加えて電話相談で多忙を極める保健師を支援するため、県の依頼を受けて、電話相談の対応人員として定年退職した看護師や保健師ら11人を紹介した。
 ―感染者と接する看護師や保健師が抱える悩みは何か。
 職場を離れても、家族に感染させてしまうのではないかという不安が常に付きまとう。女性の看護師に対しての配慮を行う医療機関もあった。ある医療機関では妊娠中の看護師を感染リスクが低い病棟へ配置換えをして対応した。小学生の子どもがいて勤務先を数時間離れる必要があった看護師には、ほかの看護師がカバーして対応したとも聞く。
 ―看護職へメッセージを。
 各地域、各現場で献身的に患者を看(み)ている看護職に尊敬と感謝の念を抱いている。本会として現場の声を反映した支援に努めたい。自分の勤務先の感染防止対策に不安を感じたら相談してほしい。非会員でも受講できる研修もある。初めて感染者と接することになったとしても、冷静に普段の力を出し切って。
 ―県民への呼び掛けを。
 看護職に理解と支援を。県民が新型コロナの感染防止に努めることが何よりの医療従事者へのエール。正しく恐れて、各自が行動変容することが大切。つらくても皆で感染予防に取り組もう。
【写真説明】「看護職が安心して働ける職場環境づくりを」と呼び掛ける柾谷会長