つがる西北五広域連合の医療機関から新型コロナウイルス感染者の電子カルテ画像が外部に流出した問題で、同連合は21日、流出に関与したのは感染症指定医療機関の感染症病棟に勤務する4人の看護師だったと明らかにした。公文書の不適切な利用であることから、今後は関与の程度に応じて懲戒処分する方針。4人のほか、少なくとも外部の2人に情報が漏れたことも分かった。
 同連合の岩村秀輝管理情報検討委員会副委員長・調査委員長と中谷委弘病院運営局長が記者会見で明らかにし、改めて患者や家族と圏域住民に謝罪した。
 カルテは新型ウイルスで陽性と確認された20代男性のもので、無料通信アプリのLINE(ライン)に画像が流出。個人を特定できる内容ではなかったものの、男性の帰省先自治体名などを読み取れる状態だった。
 同連合は県内報道機関からの照会で先月末に事実を把握。内部で聴き取り調査を進めた結果、A~Dの4看護師が名乗り出た。4人の性別、年代などについては、特定を避けるためとして公表していない。
 調査結果によると、Aは感染症疑いのある患者が入院するに当たり、外来担当看護師から電子カルテの一部の印刷物を引き継いだ。Aはその一部を携帯電話で撮影し、翌日担当者のBに対し、LINEで心構えを求める一文とともに画像を送付。さらに、当面帰宅できなくなり高齢で持病のある同居親族の世話が不可能になると考え、今後の対応を画像とともにLINEで親族1人に送った。この親族が別の親族1人にも送信していた。
 BからC、CからDにも注意喚起のLINEが送られたが、DがCに対し、やめるよう注意し伝達がストップ。ただしDは上司への報告を怠っていた。
 関与者らは当時の送受信履歴を削除していた。報道機関に情報を伝えた人物との関係性についても(報道機関の)情報源秘匿の観点から追及が難しく、どの程度まで情報が拡散したかは分かっていない。4看護師のうちAは、動揺し勤務を休んでいるという。
 今後は関与の程度に応じて懲戒処分するが、関係者の話を総合すると刑事告訴はしない見通し。中谷局長は「悪質性が高いとまでは言えない。本人らが自発的に申し出ており反省もしている」と説明。一方、岩村氏は「カルテは公文書、それも人に知られたくない種類のもの。この辺りを強く喚起していかねば」と強調した。
【写真説明】調査結果を説明する同連合の岩村管理情報検討委員会副委員長・調査委員長(右)と中谷病院運営局長