鯵ケ沢町の人気犬「ブサかわ犬」として全国的に高い知名度があるわさおが、老化と体調不良のため今月から“隠居”し、活動を縮小したことが20日、分かった。推定13歳で、人間の90歳前後に相当する年齢。現在は歩けず要介護状態で、イベントなどへの出演は困難とみられる。飼い主の菊谷忠光さん(55)=町議=は「わさおを応援してくださる皆さんには静かに、温かく見守ってほしい」と話している。
 わさおの魅力を伝える活動を展開する「わさおプロジェクト」の工藤健代表や菊谷さんによると、わさおは今月に入り、朝の散歩に連れ出す際、足腰が立たなくなったという。元気がなく、ぐったりしていたため、町内の動物病院に運んだところ、老化に起因する病気であることが分かった。以来、同町南浮田町のイカ焼き店「きくや商店」内で養生する生活。食欲に波があり、水も飲まない時があるといい、週1回のペースで通院している。活動は、店内で姿を見せる程度に縮小となる。
 わさおは、菊谷さんの母で2017年11月に死去した節子さん(享年73)が、飼い主として深い愛情を注いできた。菊谷さんは「母の介護が十分にできず、死に目にも会えなかった。せめて、わさおの面倒はきちんとしたい。それが母への罪滅ぼしだし、望んでいたことだ」と語った。
 わさおは町特別観光大使や世界遺産活動特別大使犬「ワンバサダー」、JR鯵ケ沢駅の観光駅長として活躍。テレビ番組や映画を通じて人気を全国区とし、町の観光や知名度向上に貢献してきた。
 わさお隠居の報に、町観光協会の杉澤廉晴会長は「観光への多大な貢献に感謝するしかない。健康に気を付け、余生を過ごしていただきたい」とコメント。平田衛町長は「わさおの存在が町を明るくし、話題を振りまいた。今後もそういう存在であってほしいし、一日も早く体調が回復してほしい」と願った。
 今後、わさおの状態は「わさおプロジェクト」がネットで報告する。
【写真説明】隠居生活に入ったわさおと飼い主の菊谷さん=20日、きくや商店

※詳しくは本紙紙面をご覧ください。