板柳町辻の「Bar 聖(ひじり)」は20日から、店舗の様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じてリアルタイムで公開し、自宅に居ながらバーの雰囲気を楽しめる、その名も「YouTuBAR聖(ひじり)」を開店する。国が今年度から導入した、酒をテークアウトできる制度をいち早く活用した形。コロナ禍などで外出できない中でも、カクテル片手にコミュニケーションを取り合える「社交場」がインターネット上に出現する。
 国税庁は今月10日から、酒を持ち帰り用に販売できる「期限付酒類小売業免許」の受け付けを開始。「Bar 聖」のオーナーバーテンダーの佐藤聖也さん(40)は16日付で取得し、「YouTuBAR聖」を始めることにした。
 店内にある約300種類の酒を量り売りで販売。購入時に店が教えるURLでライブ配信している動画にアクセスでき、チャット機能を使って話をしながら飲めば、バーにいるような雰囲気を楽しめる。
 バーに付き物のカクテルは制度上、テークアウトできないという。そのため店ではシェーカー、グラスなどの貸し出しも受け付けている。オンラインで佐藤さんが作り方を教えてくれるため、自らカクテル作りを楽しめるのも魅力だ。
 カクテル文化を広め、同時に地域活性化を図ろうと、数年前から多くのイベントを企画してきた佐藤さん。新型コロナウイルスの感染拡大で常連客らの足がバーから遠のいた。
 飲食店業界が苦しい中、「新しい制度を有効活用し、みんなで危機を乗り越えたい」とサイバースペースに開くバーは、外出自粛が広がる中で、人々らが集える新たな場となりそうだ。バーになじみがなかった人にも興味を持ってもらい、地域活性化のきっかけになることも期待している。
 常連客の男性(32)は「子育てが忙しく外出できない義理の姉に教えたところ、『出なくても飲めるのでありがたい。少量で酒を買えるのも良い』と喜んだ」と語るなど、さまざまな家庭の事情がある人に、息抜きの場も提供できそう。
 いずれはオンラインを通じ、全国各地に活動を広げたいという佐藤さんは「お酒を売っているので、(期限付酒類小売業免許の制定には)感謝しかない。これからもさまざまなものを取り入れたい」と語った。
 免許の期限は取得から半年間だが、「YouTuBAR聖」は当面続けたいという。
【写真説明】酒をテークアウトできる制度を利用し、オンラインのバーを開く佐藤さん