従来の方式での開催中止が16日に決まった五所川原立佞武多。運営委員会は、新型コロナウイルス感染が収束し安全が確保された場合に限り、例年と違った形での開催を目指すと説明した。こうした方針に対し、市民らからは賛否両論の声が上がった。
 新型ウイルスへの警戒感から、市の中心街では活気が失われつつある。例年と違ったスタイルであれ開催できれば、活性化の起爆剤となる可能性がある。ホテルサンルート五所川原の白戸一臣支配人は「全く立佞武多が開かれないとなればやはり寂しくなる。環境が整えばという前提ではあるが、祭りをすごく楽しみにしている」と期待した。
 大型立佞武多3体は市が管理。この活用という点では他市のねぷた・ねぶたに比べ柔軟な対応はしやすいが、中型・小型の団体などで構成する五所川原立佞武多運行団体協議会の松本友義会長は「感染拡大が長期化している現状、厳しいのではとみる。スパッと中止にしてもよかった」と私見を述べた。
 地元のタクシー運転手男性(63)も「3月の売り上げは3割減、今月は半減。われわれも大変だが、現実的に考えて、どのような形であれ、立佞武多を並べることが許される状況になるだろうか」と首をかしげた。一方、地元の主婦(65)は「できるものならやればいいのでは」と容認した。
 新型ウイルス対策で立ち入り禁止となった立佞武多の館では、大型立佞武多の新作「暫(しばらく)」の制作がなおも進む。祭りの有無に関係なく、完成後は3年間、展示が行われる予定だ。
 新作を手掛ける市職員の鶴谷昭法さん(37)は「骨組みはもうすぐ完成するところで、紙貼りにも入った。完成度は6~7割といったところ。館も休みとなったが、負けることなく引き続き頑張りたい」と前を向いた。