新型コロナウイルス感染者4人が確認された十和田市の認知症高齢者グループホームで、新たに入居者5人の感染が11日、判明した。感染者はいずれも女性で、80代3人、90代2人。県によると、新型ウイルス感染症の症状はないという。同ホーム関係者の感染は9人に上り、県は「県内初のクラスター(集団感染)発生」との見解を示した。県内で1日に確認された感染者数としては最多で、累計では22人となった。
 県によると、入居者16人にPCR検査を実施し、5人の陽性、11人の陰性が判明した。今回で職員と入居者すべての検査が完了。同ホームでは9日に80代女性入居者の感染が初めて確認され、10日に職員3人の感染が確認されている。
 新たに感染が確認された5人は、11日のうちに上十三保健所管内の感染症指定医療機関に入院予定。骨粗鬆(そしょう)症や高血圧などの持病がある人はいるが、新型ウイルス感染症の症状は確認されていない。
 5人のうち、80代の1人は1カ月以上みとりの状態が続いているという。90代2人と別の80代1人は、持病などで3月30日~4月7日の期間に同保健所管内の2医療機関を1、2回受診している。
 濃厚接触者(職員や入居者を除く)はホームに見舞いに訪れた家族や親族ら5人。濃厚接触者には自宅で健康観察をしてもらい、必要があればPCR検査を行う。ホームは消毒を行うなど対策を取りながら運営を続ける。
 感染経路について、大西基喜県感染症対策コーディネーターは、介護施設や病院などでは接触による感染が一番問題になるとし、「基本的に(感染が確認された人かは分からないが)職員が感染をある程度広め、最終的に入居者が感染したと思う」と所見を述べた
 県内での感染者増加を受け、県は、感染症患者入院に必要な病床確保に向けて医療機関と調整しているほか、無症状者や軽症者が宿泊・療養できる施設の確保についても準備を進めている。
 また三村申吾知事は「感染者や施設管理者などへの誹謗(ひぼう)中傷や濃厚接触者への差別的な発言などがあると聞いている。憎むべきは人ではなく、ウイルス」とし、県民に人道的で冷静な行動を取るよう切に願った。
 県内でのクラスター発生を受け、日本認知症グループホーム協会県支部の下田肇会長は「非常に残念なこと。一刻も早い感染者の治療と回復を願う」と語り、県内の全施設に「職員のショックも大きいと思うが、入居者に対するマニュアルをいま一度確認するとともに、3密を避け、手洗いやマスク着用など感染予防策を改めて徹底してほしい」と呼び掛けた。