つがる市西部の屏風山広域農道(通称メロンロード)沿いの南北約12キロにわたって設置された風力発電所「ウィンドファームつがる」が今月、商業運転を開始した。再生可能エネルギーの普及に取り組むグリーンパワーインベストメント(GPI、東京)が1基当たり3200キロワット出力の風力発電機(大型風車)38基を建設、稼働させた事業で、総出力は国内最大の12万1600キロワットを誇る。
 同市西部の日本海側は白い風車群が遠くからでも確認できる。この大半がウィンドファームだ。同市によると、市内には陸上大型風車50基が設置されており、うちGPIの38基と、別の風力発電会社の11基が1日から稼働。GPIは今後20年間の稼働を想定しており、市に農林水産業の地域振興資金として20億円を支払う。別会社からも20年間で2億円が市に支払われる。
 ウィンドファームは北サイト(牛潟町、下牛潟町地区)に21基、中サイト(木造館岡地区)に5基、南サイト(木造菰槌、出来島地区)に12基の風車を設置。2017年10月に着工し、20年3月末に試運転を終え完工した。総事業費は約500億円。
 風車が建つ土地は13年制定の農山漁村再生可能エネルギー法に基づき、全て農地を借用。土地を貸すことで収入を得る農家もいる。総出力は本県全世帯の5分の1に当たる約9万世帯分の電力供給に相当し、再エネ発電により年間約18万トンの二酸化炭素削減効果が見込まれるという。
 風車は風速4メートル以上になると自動で稼働し、同25メートルを超えると自動停止する。3枚あるブレードは風速が変わると角度を変えて対応。ブレードが取り付けられた頭部分も360度回転し、どの方角からの風も捉える。
 発電した電気は、北サイトの北プロジェクト変電所、南サイトの南プロジェクト変電所それぞれと、管理施設ウィンドファームつがる風力発電所(同市木造菰槌)、東北電力北津軽変電所(鶴田町)間の延長34キロに整備した地中送電線を通じて、東北電力に全量供給する。
 同発電所の小笠原孝所長は「風車のメンテナンスをしっかりし、風さえあれば毎日稼働する。エネルギー源が自然のものなので温暖化の抑制も期待できる」と風力発電の可能性を説明。
 また「土地の人の理解がなければ稼働までこぎ着けることができなかった。地域とのつながりを密にして、安心・安全を実感してほしい。今後は地域の経済に貢献し、共生していくことが重要」と力を込めた。
【写真説明】メロンロード沿いに立ち並ぶGPIの風力発電機=つがる市木造出来島