新型コロナウイルスの感染拡大を受け、青森ねぶた祭実行委員会は8日、今夏の青森ねぶた祭中止を決めた。青森ねぶた祭の名称で開催するようになった1958年以降初の中止となる同日青森市内で会議を開き、委員から異議はなく開催見送りが決まった。4月段階での決断に踏み切った理由については「経済損失を少しでも抑えるため」(奈良秀則実行委員長)とした。
 青森ねぶた祭は昨夏285万人の観光客を動員した、青森の“顔”とも言える夏祭り。今夏は8月2~7日の開催を予定していた。
 実行委の会議には委員ら44人が出席。奈良実行委員長からの中止の提案に、会場からは力なく「異議なし」との声が発せられ、中止が決まった。
 実行委は6、7日に参加団体に対して開催中止についてのアンケートを実施。その結果「中止はやむなし」「実行委員会の判断を尊重する」という回答がほとんどで、中止に否定的な意見はなかったという。
 奈良実行委員長は「経済的損失などさまざまな影響を考慮しても、やるに当たる対策と根拠が見受けられない。強行した場合、新たな感染源となり得る」とし「先達から築き上げてきた青森ねぶたという世界に名だたるブランドを、今ここで(中止が)やむなしと判断するのは皆さんを落胆させるものであり、じくじたる思い」と心境を吐露した。
 若井敬一郎青森商工会議所会頭は「中止は非常に残念。市の経済の大きな一助になっており、市民が大きなお金を投資して育ててきた祭り。来年、再来年と続けるためにここで1回休み、みんなで踏ん張っていかなければと思う」と未来を見据えた。
 名誉大会長の小野寺晃彦市長は、2007年に日本銀行青森支店が試算した青森ねぶた祭の経済効果が238億円だったことを紹介しながら「故郷の人間としてはもちろん、市長として、名誉大会長としても本当に悔しい思い。しかし安全第一という中止の判断を尊重し、われわれとしてもサポートしていきたい」と話した。
 中止を受け、三村申吾知事は「観光産業は極めて厳しい状況にあるが、感染拡大につながらない手法での地域の“経済を回す”取り組みについても、さまざまな工夫を用いながら取り組んでいきたいと考えている」とのコメントを発表した。
【写真説明】現在の体制となった1958年以降初の中止が決まった青森ねぶた祭。写真は昨夏の祭りの様子