現在の開催方式になって初の中止が決まった青森ねぶた祭。新型コロナウイルスの感染が広がる中、参加者や観覧者の安全を考慮した苦渋の決断で、運行団体など関係者は「やむを得ない」と理解を示したが、ねぶたの運行がない異例の夏に「どう乗り切っていけばいいのか」と戸惑いの声も上がった。弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多についても主催者側の判断が注目される。
 青森ねぶた運行団体協議会の若井由治会長は「不特定多数が参加する祭りでは(人の出入りを)管理できる部分とできない部分がある」と中止に理解を示した。今後は祭り囃子(ばやし)のみでの披露の場も検討中だとしながらも「モチベーションをどう保つか。町会などが運行する地域ねぶたへの影響も懸念される」と表情を曇らせた。
 2団体のねぶた制作に取り掛かっていたねぶた師の立田龍宝さんは「大変な決断だったと思う」と中止の決定に思いを寄せつつ「今までにない気持ち」と複雑な感情をのぞかせた。
 ねぶたは2月に下絵を完成、顔などの骨組みや電気配線などが3月下旬で完了し、4月下旬に小屋で本格的な骨組み作業に入る予定だったが、3月31日に参加団体から制作ストップの連絡を受けた。これまでの制作経費や人件費、制作途中のねぶたの取り扱いなどは白紙の状態。立田さんは「小さい頃からねぶたが好き。制作者というより一市民として、この夏をどう乗り切っていけるのか。不安しかない」と戸惑いを口にした。
 本県を代表する祭りの中止は本県経済、中でも観光に与える打撃は大きい。県観光連盟の高坂幹専務理事は「最大の収益源を失うことになり、観光面でのショックは大きい。他の祭りも連動して中止になれば壊滅的な打撃になる」と危機感を示し、新型コロナウイルスの収束後に備え、プロモーションなどの準備をしっかり進めるという考えを示した。

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