弘前市は今年度、リンゴ黒星病対策の農福連携モデル事業を本格的に開始した。障害者の協力を得て、昨年度試行的に実施した落ち葉処理を今回はより多くの園地で行い、地域一帯の感染リスク低減を図る。今月から6組12戸の農家が順次作業を行う予定で、市は同事業のさらなる広がりに期待を寄せている。
 市はこれまで、黒星病の感染源となる落ち葉を処分して感染リスクを下げる「耕種的防除」に取り組む生産者へ支援を続けてきた。
 2019年12月はその一環として、高齢化や労働力不足に悩む農家の園地へ障害者を派遣して防除作業を実施。20年度は取り組みをさらに拡大させ、園地が近い複数の農家が面的な防除に取り組むモデル事業を3日に始めた。
 7日は同市独狐の藤田昌人さん(62)が所有する31アールの園地で、多機能型障害福祉サービス事業所「りんごの里」(鈴木寿雄所長)の利用者5人と職員3人が作業に当たった。利用者らは藤田さんの指示を受けながら、熊手を使って落ち葉を集めたり、ブルーシートを使って園地の端まで運んだりと作業に汗を流した。
 鈴木所長は「地域の農家の方に協力できればと思って参加したが、利用者の皆さんも作業を楽しみにしていたようで、意欲を持って取り組んでいた。今後も続けていきたい」と意欲を示した。
 会社勤めの傍ら、園地を管理している藤田さんは「昨年は妻と母親との3人で何日もかけて作業した。こういう形で援助してもらえるのは良い」と感謝し「人手がなくて困っている農家も多いと思う。この作業は簡単なようでも結構な重労働なので、ぜひ(取り組みが)広まっていけば」と期待した。
 市は、耕種的防除の作業を受託できる障害福祉事業所を「耕種的防除サポーター」としてホームページに掲載している。詳細は市ホームページ(http://www.city.hirosaki.aomori.jp/sangyo/nogyo/koushuteki-bouzyo.html)で閲覧できる。
【写真説明】弘前市が進める農福連携事業で耕種的防除作業に取り組む障害福祉事業所の利用者ら