平川市文化センター内にある市郷土資料館が展示内容を大幅に見直し、5月にリニューアルオープンする。弘前大学と市の連携協定に基づき、同大人文社会科学部の学生が中心となって展示内容を話し合い、意見を反映させた。初めて常設展示される文化財を含め、展示品はこれまでの倍近い約800点に拡大。展示数が少なかった市の民俗や芸能、産業史に関わる資料を充実させるなど、見どころの多い資料館となる。
 リニューアルは、2018年度から3カ年計画で実施。1年目は同館収蔵庫内の整理を行い、19年度からは内容の検討や展示方法などについて準備を進めてきた。
 担当した同学部の上條信彦准教授は「古い歴史資料が中心だったが、平川市のことを知ってもらうため、民俗や芸能、風土の展示をできるだけ増やすことを共有した」と力を入れた点について解説。
 リニューアルにより、市指定有形文化財の「蕨手刀」と、碇ケ関の関所で使われた「通行手形」を常設展示する。また、縄文・弥生時代ごろから近現代までの流れを見られるようにし、昔の農家の暮らしを再現したスペースを新たに設けた。
 展示数を増やすために作った壁掛けの展示は、学生がホームセンターで資材を購入し手作りした労作。リンゴ用木箱やパレットを使い、低予算で展示スペースを確保しながらも、足腰をかがめずに展示品を見ることができるように視線の高さにもこだわっている。
 資料の説明にも手書きのイラストを付けるなど工夫。直射日光を避ける壁やLED照明を用いることで、紙資料の展示も増やすなど、これまで常設展示されなかった資料も見ることができる。
 3年目となる新年度は、資料館をどのようにPRするかなどを検討する。上條准教授は「普通の博物館と違い、学生がつくったというのが大きな特徴。魅力発信に生かしたい」と意気込んでいる。
【写真説明】昔の農家の暮らしを再現したスペースを新たに設置。床やいろりなどは学生たちの手作り(写真上)、新たに増設した市の農業、林業に関わる展示スペース。展示品を掛ける壁や木箱など創意工夫がみられる(写真下)