大鰐町で温泉熱を利用し、藩政時代から栽培されている「大鰐温泉もやし」が旬を迎えている。一般のモヤシに比べ細長く、しっかりとした歯応えがあるのが特徴。冷え込みが増す中、生産者が夜明け前から収穫作業にいそしんでいる。
 大鰐温泉もやしは、門外不出の在来種「小八豆」を温泉熱で温めた土室で1週間かけて栽培。洗浄や仕上げまで一貫して温泉水が使われる。
 町内の生産者は6人。このうち専業農家の八木橋順さん(45)方では17日、午前5時から収穫作業を始めた。沢を覆うわらぶきをめくると、立ち上る湯気とともにぎっしりと生えたもやしが現れる。八木橋さんはもやしをスコップで掘り起こし、丁寧な手つきで束にそろえていった。
 今年の豆は質、収量とも良好で、もやしの食味は折り紙付きという。「しゃぶしゃぶがお薦め。お肉と一緒はもちろん、もやしだけでもおいしい」と八木橋さん。
 もやしは来年4月ごろまで、7割が町内、3割が東京など県外へ出荷される。
【写真説明】湯気が立ち上る中、大鰐温泉もやしを収穫する八木橋さん