弘前市は21日未明、災害が起きていないのに、市内全域に避難を呼び掛ける防災行政無線を2度にわたって誤放送した。台風17号の接近に伴い、同無線の設定を誤った人為的ミスが原因。誤放送は前例がなく、市は同日、会見を開き、赤石仁総務部長が「市民の皆さまに深夜に混乱を招き、おわび申し上げる」と謝罪。再発防止に努めるとした。
 市によると、午前0時に「警戒レベル3、高齢者は避難」、午前0時4分には「警戒レベル4、避難開始」といった内容の放送が、市内に設置する全131基で流れた。
 原因は20日午後3時ごろ、担当職員が台風17号接近に備えて緊急時に使用する放送文の録音保存作業を、日時設定を誤った認識で進めたことによる。これまで緊急放送は肉声で行っていたが、今回は作業の効率化と迅速化を図るため、初めて録音音声にする準備をしていた。同無線のシステムに不具合はないという。
 誤放送のあった時間帯の市内は乾燥注意報が出ている程度で、雨は降っていなかったこともあり、21日未明の市内は一時混乱状態に陥った。市などによると、市防災課には午後3時までに約100件の苦情などが相次いだほか、弘前警察署や弘前消防署にも問い合わせが殺到した。同消防署には誤報後、1時間で約70件の問い合わせがあり、119番への電話も多かったという。
 市は実際の緊急時は「防災無線のみで避難を呼び掛けることはない」とし、緊急速報メールやテレビのデータ放送、市のSNSなど複数の媒体で情報を公開していることを説明した。防災行政無線が聞き取れなかった場合は、専用電話(電話0172―40―7110)でも内容を確認できる。
【写真説明】防災行政無線の誤放送を聞いて集まる市民ら=21日午前0時35分ごろ、弘前市役所前

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