弘前市土手町の紀伊國屋書店弘前店(本社東京)が6日、閉店した。県内随一の品ぞろえを誇る書店であるとともに商店街の顔として、1983年の開業から市民に親しまれてきた。35年以上にわたり「学都弘前」の一翼を担ってきた同店。営業最終日には多くの常連客や市民が来店し、「知の拠点」との別れを惜しむように書籍を買い求めた。
 同店は1983年9月22日、紀伊國屋書店の東北1号店として「川嶋ビル」1階に開店。約1230平方メートルの売り場面積と15~16万冊の書籍数を誇り、専門書も数多く取り扱うなど、学園都市を象徴する書店として市民はもちろん、研究者や学生からも支持を集めた。
 2013年に店内の雑誌・コミックを取り扱っていた地元資本のブックス弘前が廃業。同店が業務を引き継いでいたが、分野的にインターネット販売や電子書籍の普及の影響が大きく、加えて市内に他の大型書店が出店。同社は市場環境の変化などを理由に閉店を決定した。
 「閉店が報道されてからは多くのお客さまにねぎらいの声を掛けてもらった」と有馬美子店長。連休中は以前の3倍ほどの来店があったという。同市の高校に通っていた“地元っ子”としても「昔からこの場所にあるのが当たり前に思えた店だったので、閉店の実感がなかなか湧かなかった」と思い入れの強さを語りつつ、「常連客には不便を掛けて申し訳ない気持ち。地域に根差して運営できたことはありがたく、店としての誇りに思う」と感謝した。
【写真説明】閉店を惜しみ書籍を買い求める客であふれた閉店間際の店内=6日午後6時50分ごろ

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