1日に改元を迎え、令和時代に突入した日本。激動の大正、昭和、平成を生きてきた弘前市の100歳2人に、新たな時代、そして次世代への思いを聞いた。
 大鰐町出身の菊池正八さんは5日に満100歳を迎える。今は弘前市の有料老人ホームで暮らすが、日課の体操と読書は欠かさず、よく歩いて身の回りのことは自分で行うなど、今も自分を鍛えることを忘れない。
 戦時下、満州に派遣された菊池さんは同地で終戦を迎え、シベリア行きを逃れるために脱走を図り、朝鮮半島を歩いて逃げた。38度線を越えるのも命懸けだった。ようやく日本に帰国できたのは、しばらくたってからのことだった。
 帰国後は、従事したリンゴの移出業や86歳まで現役で続けたスキーで、世界中を回った。「アフリカとブラジル以外は行ったよ」と笑う。90歳までは現役で働いた。
 「戦争でもそうだし、東京での大学時代にも電車にはねられたりと、人生でこれまで4回死ぬ思いをした」と回顧。「とにかくくよくよしないこと。すべては気の持ちよう。前向きに生きていかなければ駄目」と次世代へエールを送る。
 弘前市の黒瀧ふみさんは満100歳で令和時代を踏みだした。現・弘前中央高校を卒業後は、第八師団司令部のタイピストとして働いた。22歳で結婚し、3人の子どもをもうけたが、夫は結婚して5年後に満州で戦死。りんご商業会館で事務の仕事に就くなど、80代まで働いた。
 「とにかく無我夢中だった」と黒瀧さん。「大変なことも多かったけれど、100歳を迎えられて素晴らしい人生」と振り返る。孫は4人、ひ孫は15人になった。「新たな時代、平和な時代であってほしい」と願い、柔らかに笑った。
【写真説明】「くよくよしないで前向きに」と次世代にエールを送る菊池さん(写真上)、「平和な時代に」と思いを語る黒瀧さん(写真下)