1997年7月、青森市の八甲田山ろくでレンジャー養成訓練中の自衛隊員が「ガス穴」に転落し、3人が死亡した事故から十三回忌を迎えた11日、陸自第9師団(青森市)は同市田代平の現場前で追悼式を行った。遺族や林一也師団長ら関係者約200人が花を手向け冥福を祈るとともに、事故の教訓を今後の訓練に生かすことを改めて誓い合った。
 事故は、夜間に山地踏破訓練中の第5普通科連隊レンジャー学生がすり鉢状のくぼ地(深さ8メートル)に転落、救助しようとくぼ地に入った教官や学生らが二酸化炭素中毒のため次々に倒れて21人が入院し、うち20歳代で青森市、平内町、宮城県出身の3人が亡くなった。
 くぼ地には時折、濃い濃度の二酸化炭素が充満することから、地元では「ガス穴」として以前から知られていた。事故直後から周囲に柵が張られ、立入禁止となっている。
 追悼の辞で林師団長は「志半ばで殉職したことは痛恨の極み。今後も田代平で厳しい訓練を積む養成隊員の安全を見守ってほしい」と3人の遺影に語りかけた。
 献花の後、亡くなった高橋雄一2等陸曹=当時(22)=の父の睦雄さん(64)=宮城県在住=が遺族を代表し、「息子ら3人が、友を助けようと取った行動は尊いもの。よい供養になった」と感謝した
【写真説明】「ガス穴」死亡事故から十三回忌。追悼式で献花する遺族ら