8月に発覚した弘前市のリンゴ加工業者「青森県果工」(佐々木隆夫社長)による原料原産地偽装表示問題。県警と弘前署が同月末に、不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで本社、佐々木社長宅、関連施設の家宅捜索に踏み切ってから約4カ月が過ぎた。県警などは、押収した資料を分析するなどした捜査を着々と進めてはいるが、県内のリンゴ加工業界を揺るがした偽装表示問題の実態解明は年を越すことになった。
 関係者によると、同社は2007年から、中国産リンゴ濃縮果汁を使用した「バーモントリンゴ酢」(80%リンゴ果汁入り飲料)を「県産リンゴ果汁使用」と偽って表示し、販売した疑いが持たれている。
 県の調査では、同社は6月30日まで1年間、中国などから輸入した濃縮果汁を原料とした果汁入り飲料を「県産果汁使用」と表示し約5キロリットルを販売また、原料の一部に濃縮果汁を使いながら「りんごジュース(ストレート)」と表示した製品を少なくとも112キロリットル(計約11万3千本)販売するなどしたさらに同社の七商品で、添加物の香料、酸味料を表記せず、このうち六商品は香料を加えながらも「ストレート」と表示していたことも判明している。
 県警、同署は8月26日に、本社や関連施設計九カ所を家宅捜索した際、帳簿類やパソコンなどを押収し、佐々木社長を同署に任意同行して事情を聴いた。
 家宅捜索後の四カ月の間も「捜査の必要に応じて話を聞いている」(捜査関係者)と佐々木社長や関係者から引き続き任意で事情を聴いている。現在は押収資料を鋭意精査し、その聴取内容と照らし合わせるなどして偽装表示の実態解明に向けた捜査を進めている。
 県警、同署は今後の捜査の状況によって、同社と佐々木社長を同法違反で書類送検するのか、佐々木社長を同法違反で逮捕するのかを判断する方針。それまでには「まだ数カ月は掛かるのではないか」(捜査関係者)という。
 また、偽装によって同社が不正に利益を得たとみて、取引業者に対する詐欺容疑での立件も視野に入れて捜査している。
【写真説明】全容解明は越年となったリンゴ産地偽装。弘前市東和徳町の県果工本社