東奥信用金庫(弘前市、山口耕造理事長)、あおもり信用金庫(青森市、小泉豊春理事長)、八戸信用金庫(八戸市、小野●理事長)、下北信用金庫(むつ市、角本幸太郎理事長)は27日、来年11月をめどに合併すると発表した。県内に本店を置くすべての信金が一つにまとまることになり、全国で2例目の「県内一信金」が誕生する。あおもり信金との合併協議を進める八戸信金の大同合併の呼び掛けに東奥、下北両信金が応じた。地域経済が急速に悪化する中、合併で経営基盤を強化し、厳しさを増す金融業界で生き残りをかける狙いがある。

 4信金理事長が同日、八戸市の八戸信金本店でそろって記者会見し、発表した。
 合併の基本事項によると、八戸信金が存続し、東奥など3信金は解散する。出資比率は各金庫1対1の対等とし、合併の細目は来月初めに設置する準備委員会で協議する。
 合併で誕生する信金の理事長には小野理事長が就任、本店は八戸信金本店とする。名称は合併期日までに決定するが、「公募も選択肢の一つ」(小野理事長)としている。
 合併により預金量は7476億円(今年9月末現在)と東北地方の30信金でトップとなる。「県内一信金」は沖縄県のコザ信金に次いで2例目。再編を迫られる全国の信金の先例として注目を集めそうだ。
 八戸信金は先月16日、あおもり信金との合併方針を発表。両信金が合併すれば営業エリアがほぼ県内全域に拡大するため、残る東奥、下北両信金に八戸信金が合併への参画を呼び掛けていた。呼び掛けからわずか1カ月余りの“スピード合意”となった。
 合併に加わる東奥信金は、今年9月末の自己資本比率が10.46%と国内基準の4%を大きく上回り、不良債権比率も6.77%と4信金の中で最低となっている。
 会見で山口理事長は「経営は健全性を維持している」と強調しながらも、「長いスパンで考えれば不透明感がある」とし、中長期的な展望に立った経営体質の強化のための合併だと説明した。
 八戸信金の小野理事長は、人口減少や少子高齢化、自治体財政悪化による公共事業の減少、ゆうちょ銀行の誕生など金融業界を取り巻く環境の厳しさを挙げ「各信金が個別に対応するより、一緒になったほうが効率的だ」と述べた。
 合併が合意に至ったことで、今後は新たな信金の組織体制や経営戦略が課題となる。
 小野理事長は「当面は八戸、下北、青森、弘前の4ブロックに地区本部を置き、地域の特性を生かした経営をしたい」と述べた。
 また、人員のリストラについては「雇用不安を与える」と否定する一方、4信金が現在展開する店舗の配置を見直し、統廃合する考えを示した。
※●は草かんむりに隆の異体字

【写真説明】会見で握手する(左から)東奥信金の山口理事長、八戸信金の小野理事長、あおもり信金の小泉理事長、下北信金の角本理事長