県が育成したリンゴなどの品種登録取り消し問題で、三村申吾知事は12日、臨時記者会見を行い、特別監察の結果と品種登録料の納付事務を怠った30代の女性職員ら農林水産部の関係職員8人の懲戒処分、人事異動を発表した。県は特別監察で、女性職員が知事の公印を他の公文書に紛れ込ませて使用するなど、農水省に提出する登録料納付書を不正に作成した上、農林水産部や特別監察に虚偽の説明をしたと認定。女性職員を上司らが信用し、情報共有や確認を怠ったことで未納把握の遅れにつながったと指摘した。女性職員が2006年度から07年度にかけて、品種登録に関する事務処理45件を怠っていたことも判明。県はこの職員を免職の次に重い停職6カ月とした。

 総務部は「職務怠慢を理由とした停職処分は過去に例がない」としている。また、農林水産部の体制を刷新するため、13日付で鳴海勇蔵部長を更迭し中南地域県民局長へ異動させ、新部長に佐藤和雄中南地域県民局長を充てる。
 特別監察によると、女性職員は農水省から再三にわたる督促で納付の必要性を認識していたのに、納付期限を大幅に過ぎた6月に納付書を同省へ発送。納付書は決裁を経ずに不正に作成していた。
 納付事務は女性職員が一人で行っており、官報に登載されたことを周りの職員は知らなかったという。6月になり、女性が登録料支払いの書類整備のための起案を行い、女性の上司で農林水産政策課長らの知るところとなったが、課長らは「以前に納付書のコピーを見た」という同僚の証言や、女性職員の「納付は終わっている」との説明を信用。同省に納付を確認することはなかったという。
 女性職員は1991年度採用の中堅職員で、06年度に農林水産政策課へ配属。県の調べに「未熟な仕事に反省している。こういう結果になり、申し訳ない」としているが、監察結果については「自分の記憶と違っているが、客観的に判断されたのであればそれで構わない」と話しているという。
 記者会見で三村知事は「二度と起こらぬようにし、あおり21をしっかりと世に出すことが知事としての私の責務。公務員として基本を改めて強く自覚するよう指示した。県政に対する信頼回復に全力を挙げて取り組む」と述べた。
 職員の処分内容は次の通り。
 ▽停職6カ月=女性職員▽減給1カ月(10分の1)=農林水産部長、農林水産部次長(2007年度当時の農林水産政策課長)、農林水産政策課長▽戒告=農林水産政策課課長代理、同課副参事(07年度当時の担当グループリーダー)、同課総括主幹・担当グループリーダー▽口頭注意=07年度当時の農林水産政策課課長代理
【写真説明】特別監察結果を発表する三村知事(12日、県庁)