県は4日、弘前市のリンゴ加工業者「青森県果工」(佐々木隆夫社長)が「県産リンゴ果汁使用」と偽り、輸入果汁使用のリンゴ酢を販売するなど偽装表示を行っていたとし、日本農林規格(JAS)法に基づき、同社に対し、適正表示や再発防止策を求める業務改善を同日付で指示した。同社は同日までに製造を全面中止しており、今後、製品の自主回収を行う。また、同社は同様に偽装表示した果汁を業務用として大手メーカーなどに販売したことを認めており、メーカーが自主回収を始めるなど、影響が県内外に広がっている。
県によると、同社は2007年7月1日から08年6月30日まで、中国や南アフリカから輸入した濃縮果汁使用の「バーモントリンゴ酢」(80%リンゴ果汁入り飲料)を「県産りんご果汁使用」と表示し、約5キロリットルを販売した。また、「ストレート」と表示したリンゴジュース「あおもりアップル」「あおもりりんご100」「アップルストレート100」「あおもりりんご100ふじ」の一部に国内産の濃縮果汁を混ぜ、少なくとも112キロリットル(計約11万3千本)を販売していた。同社製品は主に県内で流通している。
県は今年7月18日、東北農政局青森農政事務所から情報提供を受け、同25日から今月3日まで同社を立ち入り調査し、偽装表示の事実を把握した。県の調べに佐々木社長は「国産の原料が手当てできなかった。(加工品の)酸度調整のために輸入果汁を使った」と認めている。
県は同社に対し、JAS法に基づき、4日付で(1)すべての加工製品の表示点検と適正表示による販売(2)全役員と従業員に対し、食品の品質表示制度啓発と順守の徹底(3)原因の究明・分析と再発防止策―を指示。また、これらの指示に同社が取った措置をまとめ、9月3日までに県知事へ報告するよう求めた。
さらに同社は、輸入濃縮果汁を使用したリンゴジュース、濃縮果汁、リンゴペーストのリンゴ原産地を「青森県」と書類に記載し、大手メーカーなどに販売していたことを認めており、県が確認作業を行っている。
三村申吾知事は同日の定例記者会見で「全国に誇るリンゴジュース関連事業でこのような事案が発生したのは誠に残念」とし、「一企業の問題にとどまらず、本県のリンゴ加工品への信頼を揺るがすもの。適正表示の徹底を図り、消費者の信頼確保に努める」と述べ、対応策を講じたことを明らかにした。
県農林水産部によると、対応策として、各地域県民局が県内のリンゴ加工業者を対象に表示点検を行うほか、県の「食の安全・安心課」「総合販売戦略課」「りんご果樹課」にリンゴジュースや加工品に関する相談窓口を設置する。また、リンゴジュース加工業者に表示責任者を設けるよう指導し、関係団体には表示の適正強化に向けて働き掛ける方針。
県は同日、今年4月に関係機関によって設立された「青森食品表示監視協議会」に加わっている県警本部生活安全部生活環境課に、同社の偽装表示に関する情報を提供した。本県での食品表示に関する改善指示は、ギンダラ科の「アブラボウズ」をハタ科の「クエ」と偽って販売した八戸の水揚げ業者と卸売業者に対し、今年3月に行ってから2件目。
【写真説明】県産をPRしながらも偽装が発覚した青森県果工のユーミーアップルジュース













