青森市新町の再開発ビル「アウガ」を管理・運営する第3セクターの青森駅前再開発ビルが多額の債務を抱えて厳しい経営状況にあり、同社の筆頭株主の青森市が3セクの債務23億3千万円を約8億5千万円で買い取る債権譲渡を金融機関に申し入れていたことが、20日までに分かった。アウガは市の重要施策である中心市街地活性化の核となる施設で、存続に向けて支援に乗り出す構え。市は21日の市議会常任委員会で、同施設の経営改善に向けた取り組みを説明する。

 アウガは市民図書館など市の公共施設と商業施設からなる複合ビルで、2001年1月に開館。入館者が年間600万人を超えるなど、中心市街地のにぎわい創出に貢献しており、佐々木誠造市長が進める「コンパクトシティ」構想で重要な位置付けとなっている。
 しかし年間店舗売上額は当初見込みの52億円に対し、初年度実績は約23億円、06年度は約28億5千万円まで伸ばしたが、当初計画の約55%にとどまっている。
 管理・運営する青森駅前再開発ビルは資本金7億5千万円。07年2月末現在で当期純損益は6400万円、累積欠損額は6億6900万円。長期借入金残高は36億4800万円となっており、長期債務の元利償還が経営を圧迫、厳しい状況が続いている。
 市は「債務超過には陥っていないが、早めに対策を取ろうということ。問題を整理してさまざまな支援策を検討している」としており、具体的には金融機関と交渉の上、市が地域振興基金の一部を財源として債権を買い取り、信託財産化して受益権を取得する方針。
 青森駅前再開発ビルには信託会社に建物の残余年数である33年かけて弁済させることにし、負担の軽減を図る。金融機関側は差額分の約14億円について、債権放棄を求められることになる。
 佐々木市長は20日、アウガについて「(街の)シンボル。失敗させるわけにはいかない。どういう協力をしたらうまくいくかを真剣に考えており、市民の理解も得られると思う」と述べ、債権放棄を含め各種交渉がいい方向に進みつつあるとの認識を示した。
【写真説明】コンパクトシティ構想の中核となる「アウガ」。青森市が支援に乗り出す