黒石市横町の老舗「光文堂ソフニ書店」(祖父尼賢一社長、資本金1500万円)と系列企業の「陽栄産業」(同、同5千万円)が1日付で破産手続き開始申し立ての準備に入ったことが2日、分かった。負債総額は二社合わせて約2億4千万円。明治時代の創業以来、情報発信の窓口として親しまれてきた老舗の閉店に、市民からは「思い出も一緒に消えそうだ」などと惜しむ声が多く聞かれた。
 東京商工リサーチ青森支店によると、同書店は1877年に書籍販売を中心に創業。1951年6月に法人化し、一般書籍販売のほか、市内小・中学校や高校の教科書販売などを手掛けてきた。市内に3店舗展開し、年商4億円台の時期もあったが、大型商業施設の進出などの影響で減収の一途をたどり、業況回復を見込めない状況に陥った。
 一方、陽栄産業は72年2月に法人化し、「あすなろ書房」として弘前市駅前地区に進出したが近年同様に業績が悪化していた。
 中心街にある同書店のシャッターは下ろされたままで、「書店を取り巻く市場環境の悪化、来客数の減少でこれ以上の営業継続は困難と判断した」と祖父尼社長のコメントが張り出された。
 市民や商工関係者の反応は、惜しむ声や驚きの声が多い。同書店を昔から知る市民は「大型店が進出していない時代には情報発信の中心的存在だった」と惜しんだ。黒石商工会議所の鳴海文四郎副会頭は「まさかと驚くばかりだ」と述べた。
 黒石市教委は市内小・中学校合わせて14校の教科書販売を請け負っていた同書店の閉店に伴い、販売代理店が決まるまで転入児童・生徒用の教科書や後期教科書については他の図書販売会社による販売で対応するとしている。
【写真説明】破産手続き開始申し立ての準備に入った老舗の光文堂ソフニ書店