'14弘前市長選 戦い終えて

 

2014/4/15 火曜日

 

 任期満了に伴う弘前市長選は現職の葛西氏が共産党公認で出馬した新人の千葉氏を大差で破り、再選を果たした。選挙戦を振り返った。

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信任投票=上

 

支援者が詰め掛けた葛西氏の事務所。「1期目の実績が評価された」という声が目立った=13日

 「圧勝だ。それだけ葛西市政1期目の実績が評価されたということだ」。13日夜、当選が決まった事務所で陣営幹部は語った。
 葛西憲之氏も選挙戦終盤、高齢の女性が涙を流しながら「4年間よく頑張った」と手を握ってきたという体験などから「市民は実績を見てくれている」という実感を得ていた。
 13日には「岩木山のようにどっしり構え、市民の幸せを第一に行動する覚悟が決まった」と自らの責任を噛みしめ「先駆的な取り組みをしている自治体は山ほどある。そうした自治体と肩を並べ、学び、この弘前をこれからさらに高い高い“山”にしていけるような、そんな政治を行っていきたい」と高い目標を掲げて見せた。

 早くから勝利を確信していた陣営が最も重視したのは投票率だった。新戸部満男後援会連合会長は13日、「われわれには見えざる敵が二つあった。一つはライバルがしばらく見えなかったこと。二つめは投票率だ」と選挙戦を振り返った。選挙期間中も選対幹部は「高い投票率、圧倒的な得票でなければ信任されたとは言えない」と繰り返し、投票率の目標は示さなかったが“圧倒的な得票”は「投票数の8割」とした。
 しかし結果が予想できる選挙戦に有権者の関心は低調。支持を呼び掛けて回れば支持者から「大丈夫だ。勝てるから」と声を掛けられる状態で、陣営内では「過去最低だけは避けたい」「30%を切ったらどうする」という声もささやかれるほど盛り上がらなかった。
 だがふたを開けてみれば、4万5315票で目標とした「投票数の8割」をクリア。前回獲得した5万1699票から約6000票は減らしたが、過去に4万票以上を獲得した弘前市長は葛西氏以外には3代前の福士文知氏までさかのぼる。
 一方、投票率は過去2番目の低さと低迷。葛西氏は「投票所に足を運ばなくても信任していただいているサイレントマジョリティ(物を言わぬ多数派)が数多くいた」とし、陣営幹部も「大勢が見えていた分、有権者の足が向かなかっただけ。冷めた性質のものではない」と「信任」は揺らがないという受け止めだが、千葉浩規氏の陣営幹部は「現職に対する不信任という要素も含んでいるのでは」という見方を示した。

 サイレントマジョリティをすべて信任による行動だと受け止めるのは難しい。有権者の6割が棄権したという今回の選挙結果は投票する側にも責任があるが、候補者の側も、結果を謙虚に受け止める姿勢が必要だろう。
 葛西氏は千葉氏の獲得した1万票余について「共産党の組織票と理解している。私への批判票はそんなに多くなかった」と分析したが、無効票1143票のうちの白紙だった743票は「委任ではないということ。しっかり受け止めなければならない」と述べた。

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今後の市政運営=下・完

2014/4/16 水曜日

 

再選後に初登庁し、市役所玄関前で職員の出迎えを受ける葛西市長(中央)=14日

 「選挙期間中、市民との対話でいつも、市職員は本当に頼もしくなったとお褒めの言葉を頂いた。皆さんを誇りに思う」。当選から一夜明けた14日、弘前市役所に登庁した葛西憲之氏は出迎えた市職員を前に、晴れやかな笑顔を見せた。
 「これからは新しい自立した地域経営をなしていくため、経営計画をベースに、弘前を持続可能な、発展可能なまちにつくり上げていきたい。皆さんと意識をそろえて頑張っていきたい。どうか、私についてきてほしい」。葛西氏はそう語り、次の4年間に向けてスタートを切った。

 1期目の4年間、さまざまなアイデアで市政に新機軸を次々打ち出してきた葛西氏。アイデアを計画にし、スケジュールと数値目標を組み立て、予算を確保して実行力を担保していく一連の作業は最も得意とするところ。選挙戦では84項目ものマニフェストを「これから私が信じて進める市政の真骨頂」とし、自信を持って訴えの中心に据えてきた。
 今後、予算や人員を集中投資し、重点的に取り組むとしているのが人口減少対策だ。人口が減れば社会保障の負担が増え、経済規模が縮小、病院や学校など公共的サービスの維持が難しくなることが想定される。「早く気付いて取り組んだところが生き残る」としており、この取り組みに懸ける思いは強い。
 具体的には出生数、死亡率、転入者数・転出者数の三つの改善を図る。子育て支援や市民の健康増進に力を入れるほか、転入者・転出者数の改善にはまちの魅力を上げることが有効だとして、雪対策を筆頭に、働く場の創出、子育て世代の転入支援、観光振興による交流人口の増加なども視野に入れている。
 また本県の長年の課題である経済雇用対策では、弘前市の持つ強みを生かして、食、精密・医療、アパレルの三つの産業と基幹産業の農業を強化し、仕事力を高めるとした。
 会社役員の男性は「国レベルで語られる少子高齢化、過疎化にいかに歯止めをかけるか。その具体策を弘前から発信してもらいたい」と期待を寄せた。

 市長選で対立した共産党陣営から批判された福祉政策について、葛西氏は2015年度からの第6期の介護保険料は「絶対上げないという決意で対応する」と明言。国民健康保険特別会計も黒字化を目指す方針だ。一方「税金の使い方として市民の合意を得ていない」とされた岩木川市民ゴルフ場の問題は、解散を決めた第三セクター弘前ウォーターフロント開発の所有資産の取り扱いが未解決で、引き続き課題として残る。
 スピードと成果を重視する姿勢は高い評価を受ける一方、市役所内をはじめ内外で軋(きし)みも指摘されている。
 「20年後を見据え、これからの4年間、懸命にまた走り続けていく」と語った葛西氏。真価が問われる2期目の市政が注目される。

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