医療再編 つがる総合病院

 

2014/3/23 日曜日

 

 つがる総合病院が4月1日に開院する。中核病院として、高度医療や救急医療を提供し市民の命を守る存在だが、常勤医確保や救急体制など未解決の部分もあり、住民は期待の一方で不安を抱いている。再編成計画を振り返るとともに今後の課題を探る。

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12年越し念願の開院=1

 

西北五圏域の中核病院として4月1日に開院するつがる総合病院

 県内の自治体病院は慢性的な医師不足や赤字経営などに悩まされてきた。西北五圏域は特に深刻で、人口10万人当たりの医師数は2012年12月現在で105・4人と県内6圏域の中で最少。津軽圏域の283・6人を大きく下回り、全国平均(226・5人)と比べても半分以下。病床利用率が50%未満の病院や、特定の診療科が1人医師体制になる状況が発生していた。
 県は、西北五圏域を含め県内の状況を改善しようと、1999年に自治体病院機能再編成に着手。圏域ごとに中核病院を設け、周辺の医療機関を初期治療、急性期治療後の医療を担う病院や診療所に機能転換するよう進めた。

 同圏域では2002年から本格的にスタートし、14市町村(当時)の首長らによる自治体病院機能再編成推進協議会を組織。圏域の五つの自治体病院を再編成し、五所川原市の西北中央病院を母体に高度医療や救急医療を提供する中核病院を整備し、ほかの病院は一般病床を減らしていくといった県の計画に同意した。市町村合併後の06年には五所川原、つがる、鶴田、中泊、鯵ケ沢、深浦の6市町で構成するつがる西北五広域連合がマスタープランを策定。中核病院以外の4病院は二つのサテライト病院と二つのサテライト診療所に位置付けた。

 しかし、中核病院の建設候補地選定で難航する。06年11月に一度、五所川原市の漆川工業団地と決まったが、アクセス面での不安や市内中心地への建設要望があったことと、自治体の財政難などもあり白紙に。さらに交付金削減なども絡み、08年9月、五所川原市役所隣への建設が最終的に決定。早ければ08年度の開院を見込んでいた当初の予定が大きくずれ込み、計画始動から約12年たってようやく中核病院「つがる総合病院」が開院することとなった。
 同病院の運営主体であるつがる西北五広域連合(連合長・平山誠敏五所川原市長)は「これからが本当のスタート。地域の命と安心を守るため、総合病院と各サテライト機関、民間の医療機関ともしっかり連携し、心を一つにして新たな医療サービスの提供を行っていかなければならない」と話す。

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医師増も目標に遠く=2

2014/3/24 月曜日

 

つがる総合病院脳神経外科の受付。地域完結型の医療に向け、常勤医の確保は切実な問題だ

 人口10万人当たりの医師数が全国平均の半分以下の西北五圏域。同圏域医療の中心的存在である五所川原市の西北中央病院には現在、19の診療科に常勤医が36人いるが、かつては30人を切るようなこともあった。
 自治体病院機能再編成計画に伴い、弘前大学の協力を得ながら医師の充実に尽力。危機的状況を脱して徐々に増加し、つがる総合病院が開院する4月からは、新設される歯科口腔(こうくう)外科に2人加わるなど、常勤医は41人となる。しかし「最低でも常勤医だけで50人欲しい」(つがる西北五広域連合)と言うように目標にはまだまだ遠い。

 特に確保が難しいのが脳神経外科。西北中央病院には弘大から非常勤医が週3日、派遣されているが、常勤医を確保して入院、手術と、地域完結型医療を提供することが再編成計画とつがる総合病院としての最大目標だった。しかし、春からも現状通り外来診療だけで、脳血管疾患による死因が高い同圏域住民は大きな不安を募らせている。
 同連合の棟方昭博病院事業管理者は「県全体で脳神経外科医師が少ない。弘大もぎりぎりなので、常勤医として確保するには時間が必要」とし「手術、術後管理などを考えると最低2人は必要。若い人たちには脳神経外科を目指して頑張ってほしい」と話す。

 医師確保が厳しい状況の中、力を入れ成果を上げているのが若手医師の育成だ。西北中央病院では県内外で説明会を多数開催し、弘大や県外からの実習生受け入れを積極的に呼び掛けた。県内医師臨床研修マッチングでは4年連続で定員を満たしている。
 西北中央病院で研修医1年目の水尻毅さんは「医師と医師以外のスタッフの連携がとても取れていて、事務の方々も親身に接してくれる」、同じく1年目の當麻絢子さんも「大事に指導してくれている。圏域の中心なのでたくさんの症例を見ることができるのでやりがいもある」と話す。
 春からはつがる総合病院に場所を移し、2年目として当直の業務なども行っていく2人。「新しい病院ができて、今以上にたくさんの症例を体験していくことになると思う。研修医の宿舎も新しくできたし、学ぶ環境としては素晴らしい。ぜひ後輩に勧めたい」とし「総合病院ができたことにより、この地域で医者を目指そうとする人が少しでも増えてほしい」と話す水尻さん。當麻さんは「常勤医が増えれば指導医の数が増え、研修医の受け入れ数も増える。結果的に県全体の医師数の底上げにつながる」と期待する。

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