目指せ!!短命県返上

 

2013/10/7 月曜日

 

  2013年に厚生労働省が発表した「2010年都道府県別生命表」(5年ごとに公表)によると、本県は男性77・28歳(全国平均79・59歳)、女性は85・34歳(同86・35歳)で男性は1975年から8回連続、女性は2000年から3回連続の全国最下位だった。なぜ青森県民は短命なのか。要因はたくさんある。高い喫煙率や多量の飲酒、健診受診率の低さなどがそれだ。11日、青森市で全国初の「平均寿命サミット」が開かれる。私たちの意識が変われば大切な人の寿命は延ばせる。そのために何をし、何を知るべきなのか。“脱短命県”に向けた取り組み、これからの課題を探った。

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平均寿命最下位の実態=1

 

県内では弘前大学や弘前市などが連携し、住民の平均寿命アップを目指す「岩木健康増進プロジェクト」など短命脱却への取り組みが進んでいる=2013年6月1日
「生活習慣は誰でもいつからでも改善できる。大切な人のため、行動を起こしてほしい」と話す高橋准教授

 「皆さんは平均寿命と聞くと、高齢者が他県よりも早く亡くなっていると思っている。だが、それは大きな間違い。本県では子どもも高校生も働き盛りの40~50代も他県より早く死ぬ人が多い」と指摘するのは弘前大学大学院医学研究科社会医学講座の高橋一平准教授。大学院医学研究科の中路重之研究科長と共に岩木健康増進プロジェクトなどの活動に取り組んでいる。
 厚労省がまとめた人口10万人当たりの都道府県別年齢調整死亡率(2010年)によると、本県は平均寿命ナンバーワンの長野県よりも全年齢層で死亡率が高く、特に男性は長野県の約1・5倍多く亡くなっている。特徴的なのは働き盛りの40~50代が長野県に比べ1・6~2・1倍と総じて高く、若過ぎる死が多いことが分かる。
 では、これらの背景は一体何なのか―。
 厚労省などが調査した健康関連指標で、本県と長野県のデータを比較すると、その理由が見えてくる。
 本県の喫煙率(2010年)は男性47位(長野14位)、女性46位(同10位)、多量飲酒率(01年)は男性47位(長野5位)、女性40位(同15位)、食塩摂取量(07年)は男性45位(長野31位)、女性37位(同35位)、肥満者率(04年)は男性44位(長野11位)、女性46位(同9位)、スポーツをする人の割合(11年)は男女47位(長野9位)と、その差は歴然だ。
 飲酒や喫煙、運動不足、食生活などの生活習慣が悪いと実年齢よりも体は老化し、がんや脳卒中、心筋梗塞といった生活習慣病を誘発しやすい。これに加え、本県では受診も遅く、早期の対応が間に合わず亡くなるケースが多い。
 高橋准教授は「寿命は生活環境の影響が遺伝よりも大きく、短命は悪い生活習慣の長年にわたる積み重ねが原因」とし「健診は車で言うところの車検。生活習慣病はサイレントキラーで体に症状が表れたときに気付くのでは遅い」と強調する。
 「短命と聞くと、とても重い命題を押し付けられているイメージだが、そうではない。青森という全体を見るのでなく、自分の周りにいる大切な人たちに長生きしてもらうため、動き出すことが大事。行動を起こせば変わる」と高橋准教授。「県民一人ひとりの意識や考え方に問題がある。大切なのは知ること。生活習慣は誰でもいつからでも改善できる。決して難しいことではない」と訴える。

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メタボ検診の現状と課題=2

2013/10/8 火曜日

 

 2012年人口動態統計で、がん、心疾患、脳卒中の三大死因による死亡が全体の6割近くを占めた本県。これらの生活習慣病を誘発するメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)の予防と早期発見・早期治療は、平均寿命の延伸に向け有効な一手となり得る。しかし08年度から始まった特定健康診査(メタボ健診)の本県受診率は3割台に低迷、全国平均との格差も拡大する一方だ。特に自営業者や農・漁業者らが加入する国民健康保険(国保)などで低い傾向にあり、県は「受診を促す呼び掛けに工夫が必要だ」と指摘する。
 メタボ健診は、生活習慣病の発症と重症化を予防するため、40~74歳の公的医療保険加入者を対象に実施。体重、腹囲、血圧、血糖値などを測定し、メタボやその予備軍と診断された人に対しては、医師や保健師、管理栄養士らが生活習慣の見直しを指導する「特定保健指導」を行う。
 県によると、10年度の本県受診率は35・0%。上昇傾向にあるものの、全国との格差は08年度5・0ポイント、09年度6・8ポイント、10年度8・2ポイントと年々拡大し、県医療費適正化計画(第2期)に掲げる17年度達成目標68%には遠く及ばない状況だ。
 目立つのは、市町村国保加入者の受診率の低さ。厚生労働省の統計によると、11年度速報値は平均29・0%にとどまり、毎年3割を下回っている。最高が田子町の56・7%、最低が大間町の15・7%と、市町村間でばらつきが大きいのも特徴。弘前市は21・9%で、ワースト6位だった。
 本県の受診率について、県高齢福祉保険課の担当者は「年代では40~50代の働き盛りの男性、保険者別では国保加入者や協会けんぽの家族などが目立って低く、全体を引き下げている」と解説。職場の一斉健診などで自動的に受ける機会がないため、受診のきっかけを持ちにくいのでは―と要因を分析し、特に県民の約3割を占める国保加入者への対策が急務と指摘した。
 対象者側の意識の低さも課題の一つだ。がん検診などに比べ受診の目的や効果があいまいな面もあり、対象者に直接受診を呼び掛ける保健師や保健協力員からは、活動の難しさを訴える声も聞かれるという。鈴木日登美同課長は「声を掛けても『今元気だから健診は必要ない』と言われてしまうこともある」と苦笑いする。
 そこで県は今年度、県国保連に委託し、保健師や保健協力員を対象とした受診勧奨のための研修会を6地区で開いている。受診の必要性をより分かりやすく効率的に伝えるため、声掛けや説明の方法に絞ってスキルアップを図るのが狙いだ。
 鈴木課長は「単なる広報だけでは、元から関心の低い人には届かない。一人ひとり対象者を絞り込んでの啓発や呼び掛けの工夫が必要だ」と強調。受診率向上に向けた各市町村との協議も行っており、早朝や休日、休漁日に合わせた健診の実施など、さまざまな立場の人が受診しやすい環境整備についても助言していく―と語った。

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