交通安全を知る 事故から身を守るために

 

2013/9/22 日曜日

 

 秋の全国交通安全運動が21日始まった。事故は年々減少しているが、警察庁のまとめでは今年8月末までの死者が全国で前年に比べ38人増加。県内でも依然として死者が出る悲惨な事故が絶えない。油断や気の緩みが人命を奪うこともあり、命を守るためには、正しい交通ルールを知る必要がある。県内や弘前警察署管内の交通事故の傾向、抑止のために順守すべきルールやマナー、市民らの意識などを取材した。

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自転車=1

 

誰でも気軽に利用できる自転車だが事故も多い。ルールを知り、守っていくことが必要だ

 子どもから高齢者まで世代を問わず気軽に利用できる自転車。環境に優しい交通手段として利用者は増えているが、事故も目立つ。2011年には警察庁が全国の警察署にルールの徹底を通知。利用環境の見直しが進んでいるが、同庁のまとめでは今年8月末までの自転車乗車中の死者が昨年に比べて45人増えた。県内の自転車事故は年々減少傾向にはあるが、ルール違反による事故も発生。特に弘前警察署管内は県内でも自転車事故の割合が高く、マナーを問題視する声も上がる。市民の意識、事故防止に必要なことは?
 「自転車が歩道を走っていると見えないこともあって危ない。スピードの出し過ぎや3台並んで走るのもよく見る」と弘前市内を走るタクシー運転手男性(68)はマナーの悪さを指摘した。自転車は車両であり、車道の左側走行が原則。歩道を走行できるのは13歳未満と70歳以上を除き「歩道通行可」の標識がある区間のみだ。歩道を走ることができる場合でも車道側を歩行者に注意して走る必要があるが、ルールは浸透していない。
 自転車同士の並走、スピードの出し過ぎ、携帯電話やヘッドホンなどを使用する“ながら運転”も取り締まりの対象。罰金などが課される可能性があるが、知っていながら守らない場合も。「他の人もやっている」との認識は強い。
 同市の男子専門学生(19)は「早くメールが見たいので自転車でも(携帯電話を)見る。危ないという意識はあるが、気が付いたらやっている」という。同署の佐藤修交通官は「傘や携帯電話の使用は脇見運転。周囲を巻き込み、事故になる可能性もある」と危険性を訴える。ルール徹底に加え、違反時の危険性の周知が課題だ。
 他方で車道走行が怖いとの声もある。同市の別の男子専門学生(19)は「歩行者がいれば車道を走るが、車とぶつかりそう」と話し「運転者の立場だと自転車が車道を走るのは危なく感じる。歩道で歩行者と自転車の道を分けてほしい」と要望。同市のパート女性(69)も「ルールは守っているつもりでも、狭い道は車がすれすれを通って怖い」という。
 同署は管内の歩道の走行可能区間を見直し、市も安全な環境の整備に向けて市街地の道路を調査中。来年度には危険箇所などをまとめたマップを製作予定だ。市内は歩道がない狭い道路が多く、安全に走行できる環境整備も求められている。
 市によると市内では今年、夏休み中の小中学生の自転車事故が相次いだ。8月末までに12件と昨年の11件を既に上回り、2人は骨折の重傷。多くが車との接触で、自転車側に一時不停止などの違反もあるという。「自転車が右側を走っていると気が付かないし、危ない」(タクシー運転手男性)との声もあり、一時停止などの標識の無視、右側走行により交差点で車の死角となるなど、違反は事故の危険性を高める。自転車が歩行者をはねるなど、死亡事故となることもある。誰でも気軽に利用できるからこそ、一人ひとりがルールを理解し、守っていく必要ある。

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後部座席ベルト=2

2013/9/23 月曜日

 

交通事故から身を守るため、一般道でも後部座席のシートベルト着用を心掛けたい

 2008年に道交法改正で着用が義務化された後部座席のシートベルト。警察庁などがまとめた12年の着用状況の全国調査によると、県内の着用率は一般道で22・1%と全国平均を約10ポイント下回っている。高速道路では非着用に行政処分が課せられるが、一般道では処分はない。だが着用していなかったために重傷を負ったとみられる事故もあり、着用時と比べて危険性が増すことは明らかだ。「近場だから大丈夫」「面倒くさい」―。非着用の理由を尋ねると着用を軽視する声が多く返ってきた。
 警察庁と日本自動車連盟(JAF)の全国調査によると、昨年の県内のシートベルト着用率は一般道で運転席98・3%、助手席95・5%と全国平均を上回るのに対し、後部座席は高速道路で53・2%、一般道では義務化された08年に前年の3・4%から23・3%へと急増して以降、横ばいで20%前後が続く。
 「近距離だと着用しなくても、大丈夫という意識がある」。こう話したのは平川市のパート従業員女性(57)。高速道路などでは着用しているが、「普段の買い物で平川市や弘前市など慣れた道を通る際はしない。青森市など遠距離の場合は着用する」。弘前市の女子大学生(22)は「着用の習慣がない。高速バスなど遠方へ行く時はするが…」と目的地に向かうまでの道路状況や距離により、意識の変化が見られるようだ。
 弘前市内を走るタクシー運転手にも乗客の着用について聞いた。市内のタクシー会社に勤める運転手男性(66)は一般道では「乗客から『近いから着用しなくて大丈夫でしょ』と言われたことがある」と近距離では着用しないケースが目立つという。「着用しない場合はスピードを緩めて運転しているが、行政処分の対象にならないとはいえ、着けてほしいのが本音」と胸の内を明かす。
 「ドライバーに迷惑を掛けないよう、一般道でも着用し、習慣化している」(弘前市のパート女性、55歳)という声も。市内のタクシー会社の運転手男性(70)は「乗客の8~9割が自然に着用する。メーター作動時に自動で車内に流れるアナウンスが効いてるようだ」と話しており、少しのきっかけが着用率向上につながっているようだ。
 弘前警察署の佐藤修交通官は「今年は管内でも後部座席の子どもが事故の衝撃で前方に飛び、フロントガラスに頭をぶつけて重傷を負ったケースがあった」と非着用時の危険性を指摘する。ドライバーが無事でも後部座席の人がけがをする事故もある。市民らの声には「慣れている道だからこそ、油断が生まれ事故が発生しやすい。速度を出さない一般道でも着用してもらいたい」と呼び掛けている。
 全国平均を見ても33・2%と後部座席の着用率は決して高いとは言えない。一般道では警察は取り締まりができず、市民らが義務を意識するのは難しいだろう。だが「近いから大丈夫」という油断が大きな事故につながりかねない。「自分の身は自分で守る」。交通安全の基本に立ち返り、一般道での着用を習慣化してほしい。

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