津軽ひろさき 食堂巡り

 

2013/4/27 土曜日

 

  地域に親しまれる味を提供する大衆食堂。弘前市を中心にお薦め店を紹介する。 

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三忠食堂

 

映画「津軽百年食堂」でも外観がそのまま使われた三忠食堂の店構え
創業当時から伝わる津軽そば

 創業100年余りの歴史を持つ老舗。映画「津軽百年食堂」のモデルとなった店としても有名だ。「親に手を取られ来た子が大人になって、自分の子を同じように連れてきて…。そんな繰り返しみたいなものを大事にしている」と4代目の黒沼三千男店主(64)。のれんをくぐれば、変わらぬ味が待っている。
 創業時からメニューにある、こだわりの津軽そば(530円)。旧暦の12月8日にそばを食べる津軽の風習「八日そば」は年越しそばに取って代わり、同じく津軽そばも影を薄くした。しかし近年、メディアに取り上げられるようになり、同映画や原作小説のヒットで人気を取り戻した。
 かめば「ふつふつ」と切りほぐれる、独特の食感の麺と、焼き干しと昆布でとった雑味のない柔らかな口当たりのつゆ。今では津軽そばを一口食べようと、県外からも客が訪れるほどだ。製麺には3日にわたる手間暇を要するが「また来ることができない、遠方からのお客さんのために」と、品切れにならないよう注意を払う。
 現代はファストフードなどで昼食を済ませる人が多くなったが「大衆食堂で作り立てを食べてもらいたい」と黒沼店主。「一人 でもふらっと入れる気軽さもあると思うよ」。百年の歴史が紡いできたぬくもりが、今も店内にあふれている。 

黒沼三千男店主

 【主なメニュー】
 津軽そば(530円)、中華そば(550円)、かつ丼(830円)、カレーライス(730円)
【店舗情報】
 弘前市和徳町164(電話0172―32―0831)。営業時間は午前11時~午後7時半。毎週日曜定休(4月上旬~5月上旬は弘前さくらまつり出店のため休業)

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銀水食堂

2013/5/4 土曜日

 

“かくは”の味を今に伝える銀水食堂
お薦めの半チャーラーメン。煮干しと昆布のだしが効く優しい味わい=650円

 「『昔の味っこだ』と言ってくれる人がいます」。弘前市新鍛冶町に店を構える銀水食堂は昭和28(1953)年創業。初代店主の斎藤竹四郎さんは、本県初の本格的な百貨店として知られる「かくは宮川」のコックを務めた後、独立。銀水は“かくは”の味を今に伝える。
 2代目店主は竹四郎さんの息子の肇さん(68)。妻の恵美子さん(66)と夫婦で店を切り盛りする。
 東京の店で修業後、20歳の時から店に立つ肇さん。「昔は近くに映画館があったから映画帰りの人とかでにぎわった。自分が店で働いたのもちょうど東京オリンピックの翌年だから街もにぎわいがあった」と肇さん。それでも店は今も常連さんや土手町で働く人に支えられ、取材時も時分時を外したにもかかわらず、来店客が途切れることはなかった。
 「いつもと同じ仕事をしてるだけ」と肇さんは謙遜するが、先代の時から変わらないと話す煮干しと昆布を使ったスープ作りは毎朝6時半から仕込むこだわり。
 お薦めと出された半チャーラーメンのラーメンを一口すすれば、澄んだスープも味わい深く“まさに昔の味っこ”。チャーハンも王道の味だ。
 これも創業当時からほとんど変わらないというメニューを見ると、とにかく安い。肇さんはちょっと恥ずかしげに「(値段を)上げると迷惑だから」。
 店に一歩入ると懐かしい昭和がある。古き良き昭和が…。  

斎藤肇店主

 【主なメニュー】
 津軽そば(320円)、中華そば(400円)、チャーシューメン(520円)、半チャーラーメン(650円)、半カレーラーメン(600円)、エビフライ定食(950円)
 【店舗情報】
 弘前市新鍛冶町15の2。営業時間は午前11時~午後6時半。不定休。

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来々軒

2013/5/11 土曜日

 

3代続く老舗の来々軒
あっさりとした味わいの五目拉麺(左)と自家製皮の食感が絶妙の焼き餃子

 親子3代続く「百年食堂」に数えられる老舗。70年ほど前、当時「かくは宮川」があった一番町での屋台がルーツで、現在は初代の息子に当たる鈴木順司店主(64)が腕を振るう。「これといってお薦めはない。お客さんの好みによるよ」。豊富なメニューの中で、多くの常連は毎度同じものを頼むという。数ある料理のそれぞれに根強いファンがいるということだ。
 40種以上をそろえる品書きに込められているのは老舗ならではの、味へのこだわり。地元農家から直接買い付けた朝取り野菜に、豚や鶏、焼き干しなどを組み合わせたあっさり味のだし。添加物なしの手打ち生麺も毎日仕込む。
 五目拉麺(らーめん)(650円)は優しい口当たりの塩味スープに、シャキシャキの野菜がうれしい一品。麺にふんわりした卵が絡み、澄んだ味わいで箸が進む。好みで酢を足してもおいしい。焼き餃子(ぎょうざ)(5個350円)も人気メニューの一つ。自家製の皮はパリッとした焼き目と、もっちりとした食感が一緒に楽しめる。ぎっしり詰まった具で1個あたりの満足感も十分だ。
 「味にお客さんが付いているから店を続けられる」と話す。評判を聞いて県外からも客足は伸びる。一方で「2001年に百石町から茂森町の現店舗へ移転したが、つぶれたと思ってる人もまだいる。たまに『ここでやってらんだが』ってお客さんも来るんだ」。昔のなじみ客の皆さん、お探しのお店はこちらですよ。  

鈴木順司店主

【主なメニュー】
 醤油拉麺(500円)、野菜拉麺(650円)、揚げ焼きそば(700円)、五目炒飯(650円)、豚肉の細切り炒め(1050円)、麻婆豆腐(650円)、春巻(350円)
【店舗情報】
 弘前市茂森町16。営業時間は午前11時~午後3時、午後5時~同9時。毎週木曜定休。

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いわき食堂

2013/5/18 土曜日

 

百沢から一町田に移転して11年目を迎える「いわき食堂」
煮干しと鶏がらのだしが香り立つ中華そば

 創業46年を迎えるいわき食堂は、赤い看板とのれんが目印。2代目の葛西えり子店主(59)が初代から引き継ぎ、“昔の中華そば”の味を守っている。
 店に入ると、一押しメニュー中華そば(550円)の香りが食欲をそそる。煮干しと鶏がらなどで作る澄んだスープが絶妙で「あっさりしていて食べやすい」と評判。麺は手打ち(580円)や1日10食限定の細麺(550円)もある。
 開店したのは1967年で、以前は弘前市百沢に店を構えていた。現在地に移転したのは2002年秋。葛西店主は手伝いも含めて30年ほど食堂で働いている。
 店内はおにぎり、弁当の持ち込みができる。「例えば職場などで弁当を持ってきた人がいても、仲間と一緒に食べられるようにと思って」。葛西店主の温かい人柄がにじむ。
 客のうち半分以上は常連で、毎日のように来店する人もいる。「進学や就職で地元を離れた人が、久しぶりに来てくれるのもうれしい」と目を細める。
 初代の味を大事にする一方、弘前城雪燈籠まつり期間限定でけの汁ラーメンを出すなど新メニューも加えてきた。ご飯にチャーシューとマヨネーズを乗せたチャーマヨ丼も人気だ。
 現代はインターネットの普及で情報が瞬時に広がる。「それだけに気が抜けない。これからも地道にこつこつとやっていく」と気を引き締める。
 一度訪れたら、中華そばの香りにまた包まれたくなること請け合いだ。

葛西えり子店主

【主なメニュー】
 手打ち中華(580円)、みそラーメン(650円)、中華そばカレーセット(780円)、中華そば玉子丼セット(780円)、津軽そば(350円)
【店舗情報】
 弘前市一町田字村元794の12。営業時間は午前10時~午後7時。毎週火曜日定休。

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清竜苑

2013/5/25 土曜日

  

弘果の社員や買参人ら、市場関係者に長年親しまれている清竜苑
豚バラ肉をたっぷり使いボリューム感満点の肉どんぶり(左)と、昔懐かしい味わいの半ラーメン

 弘果・弘前中央青果敷地内にある清竜苑。店主の岡田康三さん(60)は、東京で約10年中華の修業をし、帰郷後に店を構え、この8月でちょうど35年。
 市場の朝は早い。午前3時前には起きるという岡田さんだが「4時15分にはお客さんが来るから、それまでにご飯を食べられるようにしないと。昔は起きられなかったが、もう慣れた」と言う。
 リンゴの取引が活発な秋は多忙だが、肩を並べて厨房(ちゅうぼう)に立つ長男和也さん(34)の存在が心強い。それでも「時間に制約がある人を待たせては駄目」との配慮で、カウンターにおかずをずらりと並べておく。メニューは高くても1品750円と、懐にも優しい。
 人気は“肉系”の品々。親子丼の鶏肉代わりに豚バラ肉が入るいわゆる「他人丼」の肉どんぶりは、分厚い肉の脂身とタマネギ、卵の甘味が、絶妙な三重奏を織り成す。煮干しと昆布だしの優しい味わいのラーメンを一緒に頼む人も多い。
 買参人や市場従業員が主な客層で、量はたっぷり、味付けは少し濃い目を心掛ける。場所柄、仕入れに便利で「安くて良い食材を見つけて出す。そろそろウニの季節かな」と旬にもきっちりと目配せしている。
 市場関係者が多いとはいえ、誰でも利用できる。鍛冶町の飲食店の女性たちが、仕事明けによく来ていた時代もあった。岡田さんは「今でも一般市民の来店は大歓迎。市場見学者にぜひ足を運んでほしい」と笑顔でPRする。

岡田康三
店主

 【主なメニュー】
 ラーメン(450円)、半ラーメン(250円)、みそラーメン(550円)、タンタンメン(650円)、肉どんぶり(600円)、生姜焼き定食(700円)
 【店舗情報】
 弘前市末広1の2の1。営業時間は午前4時30分~午後1時半(秋の繁忙期は2時半)。日曜・祝日と弘果休場日は休み。

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アップル食堂

2013/6/1 土曜日

 

アップルロード沿いにあり、赤い看板が目印のアップル食堂
優しい口当たりだが、うま味のあるカツカレー

 アップルロードのリンゴ畑と田んぼを抜ければ、切り取ったように岩木山が鮮明に見える絶好の風景。そこには赤い看板の食堂が。中からは常連客や、今弘子店主(56)らの明るい声がきょうも響いている。
 アップル食堂は1978年、当時22歳だった今店主と6歳年上の夫末光さん(故人)がオープンし二人三脚で切り盛りしてきた。34年以上にわたり多くの人に親しまれ続けてきた味は、変わらず今店主が引き継いでいる。
 大学生を中心に若者に人気があるカツカレー(600円)は揚げたてのカツとカレーが口の中でよくマッチする、癖がないおいしさだ。中華そば(400円)の煮干しを使ったスープは程よい歯応えの麺によく絡み優しい口当たり。食材が無駄なく調和し、箸が次々と進む。今店主は「80歳以上のお客さんもいるから」と味の理由を語る。
 客の多くが昔からのおなじみ。お昼時には仕事途中の社会人、日曜日には地域の人々が多く集まる。出前も行っており、地域住民に親しまれている。
 「初めはあまりお客さんが入りませんでしたが、次第に口コミで広まっていきましたね」と今店主は当時を振り返る。最近はインターネットで評判を目にして遠くから足を運ぶ人も多い。
 アップルロードはこれから車が増え、景色も変化するころ。そんな中、店に入れば長年変わらないおいしい匂いが待っている。

今弘子
店主

 【主なメニュー】
 中華そば(400円)、味噌(みそ)ラーメン(500円)、ざるそば(400円)、味噌カレー牛乳ラーメン(650円)、カレーライス(450円)、カツカレー(600円)
 【店舗情報】
 弘前市小沢字御笠見58の1。営業時間は午前10時30分~午後7時30分。毎週火曜日は休み。

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