迫る青森市長選 市民に問う

 

2013/4/2 火曜日

 

 青森市長選は4月7日の告示を前に事実上の選挙戦に突入している。これまで現職の鹿内博氏(65)と新人で元副知事の蝦名武氏(67)が出馬を表明し、一騎打ちが確実な情勢。両氏は市民の意見をどう市政に生かすのか、また除排雪や市役所庁舎建て替え問題などをめぐって持論を展開している。両氏の主張を通して市政の課題を探る。

 

 

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100人公聴会=1

 

民意へのアプローチの手法という点で争点として注目される「あおもり100人委員公聴会」

 鹿内市政の最大の特徴である「あおもり市民100人委員公聴会」は、前回選で公約に掲げた「市民と共につくる、市民のための市政」の実現に向け、2009年に設置した。その後に立ち上げた「市民と市長のなんでもトーク」などと並び、雇用対策、ごみの減量化、防災対策、市役所庁舎建て替え問題といった重要な政策課題について、広く市民の意見を吸い上げる役割を担う。
 市広報広聴課によると、09年度と10年度が7回、11年度10回、12年度は8回開催。委員は公募と非公募(各部の推薦など)で選ばれ1~2年半程度の任期で交代している。
 一方で、公聴会への出席率は09年度71%、10年度57%、11年度52%、12年度50・4%と年々下降傾向だ。
 委員を経験した60代無職男性は「方法が良くない。意見の言いっ放しで声が反映されているのかよく分からない」と不満を漏らす。40代会社員男性は「議会軽視にはならないのか。公聴会に議決権はないが、市民の代表である議会があるのにしっくりこない」と指摘する。
 鹿内氏によると、公聴会の意見を参考に予算化した事業費は10年度の案件が134億円、11年度65億円、12年度6億円。これらを実績として、「市民の声を吸い上げる方法の一つとして、100人公聴会がある」と必要性を強調する。
 これに対し、蝦名氏は公聴会の廃止を訴える。「100人といっても30万市民のわずか0・03%にすぎない。市民を代表する意見と言えるのか」と疑問を呈しており、双方の主張は対立する。
 いかに市民の声を聞き、どう政策に反映させるのか。蝦名氏は「企業や学校など、さまざまな現場で直接声を聞き、その声を参考に市政に反映させる方がいいのではないか。市長が足を運べばお金も掛からない」と提案する。
 鹿内氏は「公聴会は残して改善した上で、『まちづくり政策フォーラム(仮)』を新たに設置し市民と議論する場も設けたい」とし、さらに市民と対話する機会を増やす考えだ。
 今年3月27日夜、13年度最後となる公聴会が市の施設で開かれた。出席者は半数を下回る41人。出席委員からは「勉強になるだけでなく、市の財政や観光などについて興味が湧き市政に関心を持つようになった」と肯定的な意見が聞かれた。
 また、夫の介護に追われ一日の大半を家で過ごすという60代の主婦は「家にいるだけの生活でお役所は雲の上の存在。社会に出ていない人、出られない人が生活で困っていることを直接伝えられる機会が増えるのであれば続けてほしい」と期待を込めた。
 「市民がつくる市政」を掲げる鹿内氏肝入りの公聴会だが、市民の間でも賛否が分かれている。民意へのアプローチの手法という点でも蝦名氏の主張と大きく異なっており、市民の判断が注目される。 

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