日々燦句 (石﨑志亥)

 

古稀古稀と手足の先に寒波来る(間山千木)

2012/2/5 日曜日

 

 「人生七十古来稀なり」の言葉は通用しなくなった高齢社会。この句は古(こ)稀(き)古稀と漢字を二つ並べているのに、なぜかリズム感が躍動しているしかも「手足の先に寒波来る」は誰をも納得させてしまう説得力がある。いつの間にか天気図の縦(たて)縞(じま)が妙に気になりだした自分がいる。寒波に耐えて生きぬく知恵をもっているのが津軽衆だ。

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立春や思わずハミング出る厨(西澤菜花)

2012/2/4 土曜日

 

 立春といっても北国の春はまだ遠い。しかし、思わずハミングが出るとはプラス思考が働いているからであろう。口を閉じたまま声を鼻に抜いて旋律を歌うことは、身も心もすでに春になりきっているからなのだ。明るく楽しく、明日を夢見て生きるのは素晴らしいことだ。俳句を捻(ひね)るのではなく、吐いて出た句なのだ。

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鬼やらひ身の内の鬼如何とも(駒津菫子)

2012/2/3 金曜日

 

 鬼やらいは、節分の夜に神社仏閣、一般家庭で行う、追儺(ついな)の豆まきのこと。「福は内、鬼は外」と連呼しながら豆を打って鬼を追い払う。この句は、身内の鬼をどうしようかと悩んでいるところが面白い。確かに、どこの家にも鬼はいる。しかし、身内の鬼は厄介な存在ではあるが、扱い次第でたのもしい存在でもあるのだ。

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崖つらら崖の身丈をつくしけり(鳴瀬牛角)

2012/2/2 木曜日

 

 この崖つららは、JR五能線駅沿いの千畳敷の崖氷柱(つらら)に相違あるまい。生前、千空さん一行と忘年句会を毎年開いてきた。牛角さんは主要メンバー。会場である望洋館の窓から氷のカーテンを眺望できた。地層から染み出た水が崖を伝う際、氷結し崖一面が氷柱化してしまう絶景。作者は感動を抑え「身丈」にとどめたところがつぼ。

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虫くひにブローチ付けて冬帽子(桜庭タキ)

2012/2/1 水曜日

 

 冬帽子といってもさまざま、材質もさまざま、防寒用の実用的なものからおしゃれ製品などさまざまである。品質がよいものほど保管が難しい。虫もその辺のところは心得ていて、いいものを狙う。掲句は虫に食われた穴を塞(ふさ)ぐのにブローチをつけたという。いわくある帽子かもしれないが、機転の利く方だ。知恵袋がものをいう。

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