日々燦句 (石﨑志亥)

 

調絃のわづかに狂ひ初稽古(雨森久子)

2012/1/13 金曜日

 

 初稽古は新年になって初めて練習をすること。柔道・剣道など各種スポーツのほか、謡曲・舞踊・バレーなどのレッスンもある。この句は調絃と詠んでいるので、琴・三味線などが想定される。ある程度稽古を休んでいたので、絃の調整がとれないのだろう。だが、新たな気持ちで取り組む意気込みが伝わってくる句だ。

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鏡餅だんだん頑固になってくる(佐藤正賢)

2012/1/12 木曜日

 

 平たく円形の鏡のように作った餅。大小2個を重ね、正月に神仏に供えるのが鏡餅。その昔は「餅鏡」といったとか。作者は鏡餅をよく観察している。日ごとに餅が乾き、ひび割れ、かちんかちんに固くなる。その過程を「だんだん頑固に」と見ている目がやはり俳人の目なのだ。俳人で貫き通すには根性と頑固も必要だと思う。

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イトカワの千の粒子や淑気満つ(桜庭慶子)

2012/1/11 水曜日

 

 2010年6月、行方不明だった小惑星探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還し話題になった。その後、小惑星イトカワの微粒子を持ち帰っていたことが判明、そのニュースが全世界を駆け巡ったのだった。この句はその明るいニュースを新年の荘厳を表す「淑気」の季語に託した詠法は、抜群の表現と言えよう。

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数の子や上戸の血筋まぎれなく(木村修三)

2012/1/10 火曜日

 

 鰊(ニシン)の卵巣を、乾燥あるいは塩漬けにして保存したもの。アイヌ語で鰊は「かど」といい、「かどの子」が転訛(か)し「数の子」になったとの説がある。無数の卵粒は子孫繁栄につながるということで、正月の膳に欠かせないものになった。作者の家系はなんぼでもいける酒豪ぞろいのようだ。数の子の音が小気味よく鳴る一こま。

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あら玉のてのひら二枚何掴む(田村正義)

2012/1/9 月曜日

 

 新玉は枕ことば、「あらたまの年」は新年の意ということになろう。歳時記には「新年」の傍題に「新玉の年」がある。掲句は「あら玉のてのひら」なので、新年を迎えての手のひらを見て、今年はこの手で何を掴(つか)むかを自身に問い掛けているのだ。作者は既に現代俳句協会賞を射止めている作家狙うは蛇笏賞。頼もしい一句だ。

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