日々燦句 (石﨑志亥)

 

わが胸の鞴たかまる花祭り(稲部天津子)

2018/4/8 日曜日

 

 きょうは花祭り。釈迦(しゃか)の生誕を祝う仏生会(ぶっしょうえ)のこと。誕生仏に甘茶を注いで祝う。鞴(ふいご)には驚いた。胸のたかまりをどう表現するかは悩むところだ鞴たかまるは作者の新発見俳句ではよく類想だ比喩だなど論陣を張るが鞴まで来れれば、それらすべてを払拭(ふっしょく)してしまう。『新青森県句集第28集』所収。

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春風や角曲がるたび出合ふひと(白鳥青羽)

2018/4/7 土曜日

 

 毎日の通勤通学のコースは決まっている。どこの誰かは知らないが、毎日同じ時刻、場所で出会う人がいるものだ。気にはなっているが、踏み込んだ接触はない。そしていつの間にか出会わなくなる。これは相聞の句なのだろう。春風が二人に何かのきっかけを作ってくれそうな気もする。『此岸第5号』所収。

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小さな手膝に揃へて入学す(杉本喜和子)

2018/4/6 金曜日

 

 小学校の入学式だろう。〈小さな手膝に揃(そろ)へて〉が新1年生の様子を余すところなく伝えて象徴的。入場の列も不揃(ふぞろ)いで、着席後もキョロキョロと少し落ち着かないが、それらの全部が初々しい。皆神妙な面持ち。これから長い学校生活が始まる。きょうがスタート。おめでとう。『新青森県句集第28集』所収。

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清明や切り絵めきたる岩木山(臼谷山夢)

2018/4/5 木曜日

 

 きょうは二十四節気の一つ「清明」。「春風暑からず寒からずの天」(白居易)と言われ、絶好の季節と。秀峰岩木山が青天に映える図はまさに切り絵めく。得(え)も言われぬほど端正で美しい。津軽人にとっては、畏怖の対象としての神の山であり、絶対の存在。陸羯南は「名山名士を出す」と。『新青森県句集第28集』所収。

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語り合ひつつ春眠に落ちて行く(小田桐静風)

2018/4/4 水曜日

  

どんな場面なのだろう。語り合いながらウトウトしてしまう関係性は大層心地よさそうだ。〈春眠に落ちて行く〉の把握は状況を客観視していてなるほどと思う。時間の流れの感覚が魅力的。「春眠」の本意を余すところなく衝(つ)く。動物であるヒトの原始の感覚に由来するのだろう。『新青森県句集第28集』所収。

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