日々燦句 (石﨑志亥)

 

即断即決や寒晴れの岩木山(太田鉄杉)

2018/1/18 木曜日

 

 作者は大胆に俳句を詠む俳人との印象がある。〈即断即決〉などと措辞は縦横無尽、インパクトのある魅力的な俳句が多い。晩年のある日、電話で「最近、老衰が進んでしまって困った」などと笑いながら話していた。作者には産土(うぶすな)の山岩木山の句も多い。〈一月白光我らが御楯の岩木〉。『新青森県句集第27集』所収。

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雪女ふわりふわりと海またぎ(佐々木貴子)

2018/1/17 水曜日

 

 ここはいま完全にメルヘンの世界。読者をいつの間にか引き込んでしまう。〈雪女〉にふわりふわりと海をまたがせる発想にも虚を突かれる。作者は俳人である以前にきっとストーリーテラーなのである。俳句に物語性を持ち込むことに賛否はあるが、好例として大変心強い。『青森県現代俳句年鑑2016年版』所収。

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遠くから歩いてきたと雪うさぎ(佐々木とみ子)

2018/1/16 火曜日

 

 目の前に一羽の愛らしい〈雪うさぎ〉。誰が創ったのだろう。〈遠くから歩いてきたと〉言うが、何のため此処(ここ)に。童心に返って楽しむだけでよいものか。もしかしたら遠く黄泉(よみ)の国と思(おぼ)しき辺りから鎮魂のメッセージを携えて来た使者なのかもしれない。重いテーマを抱えた一句のようだ。『文芸あおもり第159号』所収。

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女正月まだ八十とうそぶいて(鈴木順子)

2018/1/15 月曜日

 

 元日の「大正月」に対して15日の「小正月」を〈女正月〉という。女たちが正月気分を楽しんでいる様子が目に見えるようだ。〈まだ八十とうそぶいて〉は大いに結構。とても80歳には見えないということ。嘯(うそぶ)けるうちは上手(うま)く嘯いて人生を謳歌(おうか)するのがよいのでは。嘯くのも方便のうちと心得て。『新青森県句集第27集』所収。

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やはらかく手古奈の里をつつむ雪(七戸富美子)

2018/1/14 日曜日

 

 津軽には七つの雪が降ると。太宰治『津軽』冒頭に「津軽の雪」として7種類が載っている。〈手古奈の里〉は虚子門下の増田手古奈の大鰐。〈やはらかく〉湯の街をつつむ雪景色は美しい。やさしさと品格の漂う手古奈俳句をもつつむ雪景色のようにも見える。心象風景と見紛(みまご)うかのような趣き。『新青森県句集第27集』所収。

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