日々燦句 (高森ましら)

 

熊穴へ活断層を手枕に(白戸星央)

2020/10/27 火曜日

 

 この頃は冬眠を渋る熊も増えているという。餌が足りず太れないからか暖冬のせいなのか、あるいは人家の近くで餌に困らないせいか、人も熊も不安。「活断層」は不安の暗示。
 『青森県句集』第31集より。

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後朝や位置のずれたる菊人形(白鳥青羽)

2020/10/26 月曜日

 

 「後朝(きぬぎぬ)」は一夜を明かした濡場(ぬれば)の情景。菊人形の舞台にその場面を取り入れてあった。人形は動くはずはないのだから「ずれたる」の表現は場の乱れ。手の込んだ演出だ。
 『青森県句集』第31集より。

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時雨傘差し掛けられし墓前かな(七戸富美子)

2020/10/25 日曜日

 

 初冬の雨だから、秋の彼岸は過ぎている。手を合わす作者へ傘を翳(かざ)す人もいて、1人での行動ではない。次は作者が傘を翳すのだろう。場面と心が見えてくる。
 『青森県句集』第31集より。

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黄落やここから先の始発駅(三嶋大久)

2020/10/24 土曜日

 

 始発駅は終着駅でもありある意味では到達点。「ここから先」の表現を重ねると、新たな作者の目線か。それが黄落を背景にしているならば、晩年の感懐となる。
 『青森県句集』第31集より。

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菊に寄す戊辰の役の物語(三橋浩二)

2020/10/23 金曜日

 

 「物語」と菊との組み合わせは菊人形の舞台か。天皇の御紋である「菊」を錦の御旗にして政府軍の進撃がなされ、新政府が誕生し明治時代が始まった。戊辰の役は最後の内乱。
 『青森県句集』第31集より。

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