昨年4月、県内8市町が提案した「新たな青森の旅・十和田湖広域観光圏」が国の観光圏整備法に基づき認定を受けた。東北新幹線のターミナルとなる青森、八戸の両市とサブターミナルとなる七戸町に加え、十和田、三沢、六戸、東北、おいらせの5市町の地域資源を結び、連泊が可能な「観光8の字ルート」を形成。これにより、2013年の圏域観光客数と宿泊者数を07年比でそれぞれ6%、15%増やす計画だ。
県観光統計によると、同圏域の宿泊客は年々減少し、07年は203万人。一方で日帰り客は1726万人と、新幹線八戸駅開業(02年)を境に増加した。
宿泊客の減少は県全体の傾向で、入り込み客数に占める割合は05年の9・2%に対し、09年は8・6%に低下した。新幹線の新青森駅延伸で移動時間が短縮されれば“日帰り化”が一層進むことが懸念され、経済効果は限定的となる。8市町の観光圏づくりは、そうした危機意識が背景にある。
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観光立国を目指す国は、08年10月に観光庁を新設。柱の一つとなる観光圏整備法を施行し、40%を上限に国庫補助金を交付するなど複数の自治体による滞在型観光圏づくりを促す。08年度から10年度の3年間で認定した観光圏は、本県の「新たな青森の旅―」を含め全国45地域に上る。
「国際競争力の高い魅力ある観光地づくりを推進することで、産業活性化と交流人口拡大による地域発展を図る」と同庁。
観光産業はすそ野が広く、交流人口の拡大で雇用が生まれ、地域活性化の切り札になるとの期待が大きい。一方で地方経済は過疎化や第1次産業の衰退、長引く不況で疲弊し行政の歳入が減少。観光関連に充てる予算も縮小傾向にある。
JTB東北青森支店の鈴木雅之支店長は「小さな枠では誘客に限界がある。『おらが町』の意識を取り払い、広域的に連携することで大きな効果を発揮する」と説く。
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陸奥新報社の調べによると、新幹線開業を目前にして広域観光を柱とした組織の立ち上げが相次いでいる=表参照。従来の行政区域にとどまらず、津軽と県南地方が手を携えたり、秋田県北が参画する動きが出てきた。一方で、地域によって取り組みへの意識や実績に差がある。
鈴木支店長は「青森県の豊富で新鮮な食材に観光客の期待は大きいが、地元の取り組みは十分と言えない」とし「広域観光を商品化し、旅行客に訴求するにはストーリー(物語)が必要」と指摘する。
地域間競争が激しさを増す中、発信力の強い地域ブランドやイメージづくり、スケールメリットを生かした効率的な事業運営のため、複数の自治体や民間組織、事業者らが足並みをそろえた戦略が不可欠となっている。
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第4部では、新幹線開業を契機に活発化する広域連携について、津軽地方の現状と課題を取材した。
















