冬夏言

 

2017/9/6 水曜日

 

遠目で「おぉっ! 大きな鳥が飛んでる。トンビ? いやタカ?」と驚き、近目で見て、それが鳥の形をした鳥追いのグッズだと分かった。最近よくリンゴ園などで見掛ける▼調べてみたら「鳥追い カイト鷹」と言うらしい。タカの形をしたカイト、つまり、鳥よけの凧(たこ)である。釣りざおのようなポールに糸が付き、その糸につながった凧のタカが風に吹かれ、リンゴ樹の上を縦横無尽に、まるで本物のタカが飛んでいるかのように見える▼果樹をついばむ気だった小鳥はタカがいると知れば、慌てて逃げていくに違いない。経験則があるのなら、当分は「タカのいる危険な場所」には近づきもしないはずだ▼シンプルながらよくできた鳥追いグッズである。津軽の各地で目にするから、農家には近頃はやりの人気商品なのだろう▼鳥追い、鳥よけといえばかかし、キラキラ輝く反射テープ、目玉模様の風船などもある。それぞれ効果に差はあるにしても、そこには平穏だからこその出来秋への願いがこもる。リンゴ園の上を飛ぶタカを見ながら思う。平和を脅かす「北よけ」はないものかと。

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2017/9/5 火曜日

 

回転時の軸足はぶれず、高いジャンプは宙に浮いているかのよう―。先月末に見たバレエ公演。一流の演舞には感嘆のため息を漏らすしかなかった▼弘前市出身の吉田むつきさん、田中孝欣さんらプロ3人が出演した公演はなんと無料。企画したのは2人の弘前時代の恩師であり、市内でバレエ教室を主宰する青山洋子さんだ▼自身と縁のある国内外のトッププロを招いては、無料公演会を開いてきた。人々に“本物”を見せたいという思いと、「先人から脈々と受け継がれてきた弘前の文化」(青山さん)を次代につなぐという使命が原点にある▼文化という「宝」を守るため、私財を惜しまない人たちが弘前にはなんと多いことか。地元の囲碁愛好家ら32人が先日立ち上げたのは、県内で囲碁普及に力を注ぐ古川元・こんゆ夫妻の後援会。発会式で名誉会長の秋元弘一さんは夫妻を「弘前囲碁界の宝」と称した▼「うれしい時、悲しい時に抱きしめてやれるおやじや兄貴のような存在でありたい」(会長代行の中西寿生さん)という会に、文化都市と言われるゆえんは、人にあるのだと改めて思った。

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2017/9/4 月曜日

 

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会への出場を決めた日本代表。宿敵オーストラリアとの一戦では先発に抜てきされた若い選手たちが躍動し、本大会への期待も高まる試合内容だった▼1年前に始まったアジア最終予選の初戦は、格下のUAEにホームで敗れ、まさかの黒星発進。現行の予選方式となった1998年フランス大会以降、黒星発進のチームは全て予選で敗退しており、出場確率0%と騒がれた▼見事ジンクスを打ち破り、6大会連続でW杯出場を決めた日本代表。一昔前は夢の舞台だったW杯も「出場は当たり前」という雰囲気となり、代表に選ばれた選手たちが感じる重圧は相当のものだろう▼中学生の時にテレビで「ドーハの悲劇」を見て涙を流した身としては、W杯出場が決まると喜びよりも先に安堵(あんど)の気持ちが湧いてくる。やはりW杯はサッカーファンにとって特別な大会なのだ▼2年ぶりに代表に復帰した本県出身の柴崎岳選手にも期待している。スペイン1部の所属チームでもレギュラーとして活躍。5日のサウジアラビア戦で雄姿を見せてほしい。

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2017/9/3 日曜日

 

日本商工会議所青年部第36回東北ブロック大会青森ごしょがわら大会(中山佳大会長)が1日、3日間の日程で始まった。初開催となった五所川原市には全国から1880人が集い、今年運行20年の節目を迎えた立佞武多の「ヤッテマレ」の掛け声とともにスタートを切った▼主管の五所川原商工会議所青年部は、大会開催が決定した5年前に51人だった会員を116人までに増やし、五所川原らしさを前面に押し出す大会を目指して奔走した▼2日目の各分科会では五所川原の“もつけ魂”を象徴する立佞武多の軌跡や第三セクターから始まったエルムの街ショッピングセンターの成功例、農作物の品質へのこだわりなど、五所川原を成長させる原動力を探る内容で地域をアピールした▼「津軽の郷(さと)で笑顔が躍動(おど)る ヤッテマレ東北!ヤッテマレYEG!」を開催地テーマにした大会は、巨大ねぷたを復活させた五所川原の不撓(ふとう)不屈の精神を表現し、挑戦する情熱と可能性を詰め込んだ▼大会を通じて広がった笑顔が、全国の地域のリーダーたちとの絆や各地域の発展につながると期待したい。

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2017/9/2 土曜日

 

「学校に行きたくない」。新学期開始前、自ら命を絶つ子どもたちがいる▼内閣府が2015年に発表した「自殺対策白書」によると、1972年から2013年までの42年間で、18歳以下の自殺者は1万8048人。365日の日別に分けると、最多の9月1日は131人と群を抜き、4位が9月2日で94人、5位の8月31日も92人と、夏休み明け前後に多発していた▼本県では異なるが、9月1日は全国的に2学期の初日。「体がだるい」「宿題が終わっていない」―。それは、精いっぱいのSOSなのかもしれない。新学期直前の8月30日、東京都の上野動物園の公式ツイッターがある投稿をした▼園内で飼育するアメリカバクの画像とともに「学校に行きたくないと思い悩んでいるみなさんへ」と題したメッセージ。「アメリカバクは敵から逃げる時は、一目散に水の中へ飛び込みます」「逃げる時に誰かの許可はいりません。脇目も振らず逃げて下さい」といった内容だった▼目を閉じ、深呼吸をしよう。そして、この言葉をかみ締めてほしい。「この世は生きるに値する」(宮崎駿)。

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