冬夏言

 

2019/8/17 土曜日

 

黒石支社に赴任して2年目の夏。先日、知人から「黒石よされはどんな感じ?」と聞かれ、答えに窮した▼黒石よされといえば、中心街を踊り歩く「流し踊り」が有名だが、昨年は初日が大雨で中止に。2日目は「大川原の火流し」を取材したので見る機会を逸した。気持ちがモヤモヤする1年目の夏だった▼今年は初日の15日、満を持して写真撮影に臨んだ。この時期は県内各地で盆踊りが盛んだが、よされが別格と感じるのは、こみせ通りの古い街並みと、祭りの踊り手が一体化することで生じる、一種のタイムスリップ感だった▼ファインダー越しにのぞくと「とくまんぽ」と呼ばれる笠(かさ)を付けた踊り手がこみせの家々を背景に踊る、その情景に、まるで自分が江戸時代にでも迷い込んだかのような錯覚を覚えた▼それでいて、整然とした流し踊りの合間に入る廻(まわ)り踊りになると、今度は一気に踊りが身近なところに“降りてきた”ような気安さを感じる▼2年目で垣間見た流し踊りの醍醐味(だいごみ)。一瞬、自分も飛び込みで参加を―と思い、すぐにわが身の不器用さを思い出した。危ない、危ない。

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2019/8/16 金曜日

 

真っ暗な夜道、家々の前にぽつりぽつりと浮かぶ炎の明かり。先祖の霊がこの火を頼りに帰って来るというのも、なるほどうなずける▼今年の盆は、久方ぶりに実家で迎え火をたいた。パチパチと音を立てて燃える炎を見ていると、不思議と穏やかな気持ちになる▼いわゆる“見える人”によると、お盆は本当にたくさん街に帰ってきているという。信じる信じないはともかく、わが家でも父が亡くなってから20年以上がたち、もう生まれ変わっているんじゃないかなんて話をしたりして、火をたかない日もあった昨今。反省も新たに、父が迷わずに家に帰って来られるよう、今年は初日から赤々と火をたいた▼亡き人を思いながら、一人じっくりと火をたく人。小さな子がいれば、花火をしながらにぎやかにたく家もあるだろう。次代に残っていってほしい風習である▼お盆のUターンラッシュが始まり、家からも街からもにぎやかさが去りつつある。毎年のことだがどことなくさみしさを感じるものだ。夕方になれば津軽の地では早くもひんやりと秋風を感じるようになってきた。

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2019/8/15 木曜日

 

今年も平和の重みをかみしめる日がやってきた。言わずもがなきょうは終戦記念日である。戦地に赴き散っていった兵士たち。広島と長崎の原爆投下。戦火で命を失った無辜(むこ)の人々▼「あの大戦」がまた1年、過去のものとなってしまった。民間団体やマスコミなどが事実を記録し、次代に残そうと努めているが、薄らいでいく若い世代の関心と戦争体験者たちの高齢化は、非情な時の流れを突きつける▼戦後2番目に低い投票率だった先月の参院選では、争点の一つが改憲だった。議論がどう進むかを注視しなければならない。現政権下で安全保障関連法が成立してから来月で4年。憲法違反とする訴訟が全国で起きている▼戦後拡大する一方の防衛費と自衛隊の解釈。政権の解釈によって憲法が脅かされるのは先の大戦と同じだ天皇にある軍の統帥権が都合良く解釈され、アジアの平和を守ることが侵略の方便になったのは言うまでもない▼歴史を繰り返すも、歴史に学ぶのが人である。多くの犠牲の上に立つ74年間の平和鎮魂の祈りをささげつつこの国の針路を一人ひとりが考える日としたい。

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2019/8/14 水曜日

 

小学校時代、校庭の一画に土俵があった。秋には校内相撲大会が開かれ、学年別・男女別のトーナメント形式でで競い合い。年に一度だけ土俵に上がれる日でもあり、毎年大会を心待ちにしていた▼小学4年の頃だろうか。女子児童は片足跳びで相手を押し合う「けんけん相撲」に対戦ルールが変わった。友人たちと「普通の相撲の方がいいよね」と不満を言い合いながら、件の相撲を取ったのをよく覚えている▼思い返してみると、なぜ男女で違うのだろうと疑問が湧く。もう既に校舎さえない母校。今や誰に問うこともできない▼女性に職場でのパンプス着用を強制する風潮に反対する「#KuToo」運動が近年広がりを見せるほか、最近は熱中症対策として男性への日傘使用を推奨する「日傘男子」という言葉も生まれ、話題を呼んでいる▼「#KuToo」などが騒がれるくらいには固定概念から脱却しつつあるが、いまだ身に付けるもの一つ取っても性差が根強く残る現代社会。その根底には、幼少時に受けた教育が無関係とは到底言い難い。子どもに対する言動ほど気を遣い、責任を持ちたい。

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2019/8/12 月曜日

 

県内でも大会が開催されるようになった「eスポーツ」。国内外の大きな大会には多額の賞金が懸けられ、7月に米国で開かれた世界大会では、弱冠16歳が優勝賞金約3億3000万円を手にした▼一流のプロ野球選手の年俸と変わらず、一大会の賞金額としてもゴルフやテニス並み。近年人気のユーチューバーのように、プロゲーマーも児童が憧れる職業になるのでは▼eスポーツについては、スポーツとして認めるかどうかや、依存症になる危険性が議論される。しかし、年齢や性別、場所などを問わずに世界中の人とコミュニケーションを取ることができ、魅力は大きいと感じる▼ただ暴力的シーンが多いゲームが散見される俳優を撮影しているのかと見まがうほど映像が美しい分残虐なシーンもリアリティーがある海外で銃乱射事件などを引き起こす若者はゲームに感化されたのではと思ってしまう▼これらが児童生徒の健全育成に良いはずがない。過激な内容がなくとも、プレーヤーを熱中させることはできるはず。一定の規制がなされた上でのeスポーツ発展を期待している。

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