冬夏言

 

2017/12/8 金曜日

 

舞台は19世紀なれど、粗筋だけ読めば現代の昼ドラのような内容だ。女癖の悪い夫と放蕩(ほうとう)息子に振り回され、自身の運命を嘆く女性。フランス・リアリズム文学の代表作と言われるモーパッサンの「女の一生」だ▼両親に“純粋培養”され、何不自由なく育った世間知らずの男爵令嬢が主人公。夢に見た幸せな生活が、数々の裏切りで打ち砕かれていくが、彼女は自身の人生を哀れむだけ▼再読して感じたのは、人生は無知で受け身のままではいけないということ。同作では男性にだまされても、現実を直視してたくましく生きる女中と主人公の対比も印象的である▼現実が見えず恋愛に悩む女性は今の時代にも。「ダメウーマン」と言い切ってブレークしたのは、お笑い芸人ブルゾンちえみさん。インターネットの検索大賞を受けたと報じた▼ブルゾンさんが扮(ふん)するのは効率的な仕事ぶりで充実した私生活を送るキャリアウーマン。せりふの一つに「女に生まれてよかった!」とあるが、心からそう言える女性はどれくらいいるだろう。流行語にもなった決めぜりふ「35億」ならいいのに。

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2017/12/7 木曜日

 

弘前市は4日、2011年度から特産果実を中心とした交流を続けてきた台湾・台南市と県を含めた3者で友好交流に関する覚書を締結した。弘前市は言わずと知れた日本一の生産量を誇るリンゴ、台南市はアップルマンゴーが特産果実だ▼台南市の紹介により、台湾の大手百貨店グループ「遠東百貨」の店舗で弘前市のリンゴや物産を販売するフェアが毎年開かれるようになった▼県産が約9割を占めるとされる国産リンゴ輸出の最大の取引先が台湾だ。覚書が結ばれたことで両市の仲がより深まり、リンゴの輸出拡大につながることを期待する▼締結式に出席するため来弘した台南市の李孟諺代理市長は、弘前市の街並みや市りんご公園などをいたく気に入った様子。観光に力を入れている弘前市にとっては、誘客促進のチャンスでもある。台南市民に弘前の魅力を伝えてもらえれば幸いだ▼両市は文化、教育、スポーツなどの分野でも交流を深めることを想定している。特産果実の「アップルつながり」(葛西憲之市長)をきっかけに始まった交流は、きっと“実り”の多いものになるはず。

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2017/12/6 水曜日

 

神戸港のメリケンパーク(神戸市)に飾られた高さ約30メートルの「世界一のクリスマスツリー」が、賛否両論を巻き起こしている。話題性で成功したといえるが、周囲の受け止めは複雑なようだ▼企画したのは世界中で植物を探すプラントハンター西畠清順さん。西畠さんはこのツリーをめぐり、議論が巻き起こることを望んでいたという。クリスマスツリーに用いられた木はアスナロ。本県でヒバと呼ばれる▼約30メートルにも育った大木を切り出したことへの非難も。これに対し西畠さんは、荒廃した森林が世界各地に出現していることを指摘。犬や猫を「かわいい」というのに、殺処分がゼロにならないことにもつながるような議論だ▼ただ、阪神淡路大震災への鎮魂をイベントテーマの一つに掲げたことで、多くの被災者が複雑な思いを抱いたことがSNS上で分かる▼イベントのために切り出された命震災時目の前の命を助けられなかったことに今も傷つく被災者。昨今はいかに目立つイベントを企画するかが重視されがちだが、人の心を打つイベントとは何か考え直す必要性もあるのではないか

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2017/12/5 火曜日

 

わが国の動乱の幕末期を語る上で、白虎隊に属した悲運の少年20人の存在があったことを知らない人は、決して多くはないだろう▼舞台は陸奥会津藩。第9代で、実質的に最後の藩主となった松平容保(かたもり)が没したのは、1893(明治26)年12月5日。京都守護職にあり鳥羽伏見の戦いで降伏、後に奥羽越列藩同盟の中心的な役割を担いながら会津戦争にも敗れた。57年の生涯だった▼会津藩は1668(寛文8)年、藩祖保科正之が徳川家への忠義を尽くす藩の方針を示すべく、家訓15カ条と什(じゅう)の掟(おきて)を作った。掟には「年長者の言うことに背いてはなりませぬ」「卑怯(ひきょう)な振る舞いをしてはなりませぬ」「弱い者をいじめてはなりませぬ」などがある▼横綱日馬富士による飲酒の上での暴力事件、引退で大揺れの大相撲。過去にも一般人からみれば常識を疑う不祥事が相次ぎ、批判の矢面に立たされ続けてきただけに、会津藩の教えを協会の掟として引用してほしいぐらいだ▼会津藩士の子弟は6歳になれば什の掟を習い始め、毎日最後にはこう復唱して締めたそうだ。「ならぬものはならぬものです」

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2017/12/4 月曜日

 

来年6~7月に開かれるサッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会の組み合わせが決まった。6大会連続6度目の出場となる日本は、ポーランド、セネガル、コロンビアと対戦する▼初戦の相手コロンビアとは前回大会でもグループリーグで対戦し1―4で完敗。日本にとってはリベンジの機会となる。過去5大会で南米のチームには未勝利であり、ジンクスを打ち破ってもらいたい▼日本が入ったグループは優勝経験のある大国は不在でいわゆる「死の組」は免れた。国際連盟(FIFA)ランキングで日本よりも上位の国ばかりだが、2大会ぶりの1次リーグ突破は十分可能だ▼日本代表の強化には国内クラブの成長が欠かせない。近年、Jリーグ勢が好成績を残せていなかったアジアチャンピオンズリーグで、浦和が10年ぶりに優勝。6日開幕のクラブW杯での躍進も期待される▼25シーズン目を終えたJ1は、川崎が最終節で奇跡の逆転優勝。クラブ創設21年目で初めてタイトルを手にした。四半世紀の歴史で日本サッカーは確実に成長した。そのことをロシアで証明してほしい。

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