冬夏言

 

2017/1/13 金曜日

 

弘前市出身で戦後「国民的作家」と称された石坂洋次郎(1900~86年)。今年は石坂の代表作の一つである小説「青い山脈」が発表されてから70周年の節目で、弘前市立郷土文学館では12日から企画展「石坂洋次郎展―『青い山脈』70年―」が始まった▼展示の目玉の一つと言えるのは7日付の本紙で報じているが、石坂の遺品の中から見つかった未発表とみられるエッセーの直筆原稿2点だろう▼石坂の没後30年を迎えた昨年、孫の今泉佳子さん(東京都在住)が石坂の命日(10月7日)に弘前市内で開かれる「偲(しの)ぶ会」へ10年ぶりに出席するに当たり、遺品を改めて調べて発見した▼石坂の幼少期や戦後の弘前の様子がつづられていたことから、今泉さんが同文学館へ寄贈。その後、同文学館が調査したところ未発表とみられることが分かった▼没後30年の節目に弘前に関係するエッセーが見つかったことについて、今泉さんは「何かの縁なのかなと思う」と話したという。石坂の郷里への思いが未発表のエッセーをこのタイミングで発見させたのだろうか。そう考えると素敵(すてき)な話である。

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2017/1/12 木曜日

 

新年早々、観光関係者に明るいニュースが舞い込んだ。2016年の訪日外国人数が2403万9000人に上り、4年連続で過去最高を更新した。15年の1973万7409人を21・8%も上回る好調ぶりだ▼特に、中国や韓国、台湾からの訪日客が大きく増えたのが要因だとか。身近なアジア圏にとって、日本は魅力ある観光地となりつつあるのだろう。このほか、格安航空会社を含む航空路線の拡充、ビザ緩和が功を奏した▼国は東京オリンピックが開催される20年を見据え、訪日客4000万人を目標に掲げている。一方、中国人による「爆買いバブル」は斜陽を迎えている▼「余った小銭をオモチャに!」を合言葉に成功した例も。訪日客が出国時、余った小銭を有効に使ってもらおうと、メーカーが成田空港にガチャガチャを設置したところ、大人気に。食品サンプルや人気キャラクターをお土産にどうぞ―と、購買欲をくすぐるアイデアだ▼ちょっとした気遣い。日本らしい「おもてなし」の心が伝わる取り組みに“リピーター”となってもらうヒントがありそうだ。

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2017/1/11 水曜日

 

今冬は雪が少なく、ゆっくりと正月を過ごせた人も多いのではないだろうか。しかし降雪量が多くなるのは、これからの時期。雪片付けが朝晩の日課となると思うと気がめいる▼日常生活の中で、雪国に生まれた恩恵を感じることはあまりない。子どもの頃は毎年雪が降る時期を心待ちにしていたが、大人になるに連れ、ただ厄介なだけで心が躍ることもなくなってしまった▼一方、雪国の新たな歴史を刻んだのが青森山田高校サッカー部。全国高校選手権で悲願の初優勝を果たし、Jリーグクラブのユースも含む高円宮杯U|18プレミアリーグとの2冠を達成。名実ともに高校年代最強チームとなった▼冬場の厳しい練習環境の中、選手たちは雪上サッカーや雪かきなどで足腰を鍛えているという。全国の舞台で見せた勝負強さは、雪国であることをハンディとせず、逆境に立ち向かう力に変えてきた結果だろう▼北国としての誇りを持ち続け、最北優勝を50年ぶりに更新した同校。多くの県民に勇気と希望を与えたはずであり、本県のサッカー全体が盛り上がっていくことを期待したい。

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2017/1/10 火曜日

 

日本老年学会と日本老年医学会は、65歳以上とされている高齢者の定義を、75歳以上とすべきだとの提言を発表した。現代人は医療の進歩や生活環境の改善で、10~20年前に比べ5~10歳ほど若返っているという▼確かに「今の60代、70代は若い」という声をよく聞く。40歳以上の国民を対象に行った2015年の厚生労働省調査でも「高齢者と思う年齢」は70歳以上が41・1%で最多。65歳以上は20・2%だった▼提言では、65~74歳は活発に活動できる人が多いことから「准高齢者」とし、就労やボランティア活動といった社会の支え手が増えることを期待している▼年齢を重ねてもできる範囲で仕事や社会参加を続けることは、心身の健康にも有効だろう。働く意欲や能力、体力のある准高齢者の活躍の場がさらに広がるといい▼一方で識者らは、提言がきっかけで社会保障制度に影響を及ぼすのではと指摘する。同学会も「定義を変えることで、年金支給年齢の安易な引き上げなどにつながらないようにしてほしい」とくぎを刺した。くれぐれも、マイナスの方向に進まないことを願う。

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2017/1/9 月曜日

 

ツイッターの影響力は強大だとこのごろ思う。特に次期米大統領のトランプ氏。新年早々、日本企業を批判したツイートが波紋を広げている▼トヨタ自動車のメキシコ工場新設計画を批判し「米国に工場を建設するか、国境で巨額の税を支払え」と求めた。米国内の雇用への影響を懸念しての指摘だったようだが、脅しとも受け取れる内容だ▼標的は同社だけにとどまらず、狙われた企業の株価は軒並み下落。短く鋭い言葉でつづるツイッターはトランプ氏にとって強力な武器と言えよう▼一方、東京のある寺で、初詣客に向けてベビーカーの利用自粛を呼び掛ける看板を立てたところ、インターネットで「なら松葉づえも車いすも遠慮しろと?」「差別では」などと大論争に発展。元日に出たたった一つのツイートがきっかけだった▼その寺は以前からベビーカーに寛容だったが、そこにつけ込んだマナー違反が続出した。看板はやむを得ずしたことだったといい、そういう事情ならと納得もいく。多くのことはツイッターに頼らずとも言葉を尽くし、事情を知れば理解し合えるはずである。

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