冬夏言

 

2017/3/13 月曜日

 

国公立大学2次試験の後期日程が12日からスタートした。県内でも弘前大学と県立保健大で、受験生たちが関門突破を目指した▼約1週間前には前期日程の合格発表があった。弘前大学文京町キャンパスの合格掲示板の前で悲喜こもごもの表情があったが、その場に集まった学生の数は想像より多くない印象▼パソコンやスマートフォンが普及した今は、インターネットで合格者番号をチェックするのが一般的。まして遠方からも多数が受ける大学受験であれば、その場にいながらにして掲示板発表と同じタイミングで合否を知ることができるなんて、便利な世の中になった。それでも今回大学に合格発表を見に来た受験生の中には「インターネットだと実感が湧かない」と来場した理由を話す受験生もいるなど、“臨場感を求める派”も根強いのかも▼そのまた昔は電報で大学から合否が届けられた。時を経れば、方法もまた移り変わっていくものである▼後期入試を終え、長かった受験勉強期間に耐えようやく区切りという人も多いだろう。まずは一息、「サクラサク」の吉報を待って。

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2017/3/12 日曜日

 

冬場は観光客の姿が少ない弘前公園だが、今年は例年より多く感じる。道などを聞かれることもあり、急いでいる時は正直なところ焦る。それでも旅先などで道に迷った時に助けてもらった経験から、できるだけ丁寧に接するよう心掛けている▼だが、世の中にはさまざまな人がいる。道を聞いたら相手にあごをしゃくられる、無視、さらには舌を鳴らされにらみつけられたという。佐野洋子さんのエッセー集「ふつうがえらい」に書かれていた▼それらは駅の中での出来事。佐野さんは「きっと一日に何百回もきかれるんだ」「商売にさしさわるんだ」などと想像を巡らせ、忙しそうだった相手の様子を思い出す。とはいえ、一言も言葉を発しないとは驚きだ▼消費を上向かせ長時間労働を減らそうと、2月から始まったプレミアムフライデー。余暇を楽しめるのはいいことだが、終業を早めるために他の日が忙しくなった、家に仕事を持ち帰るだけだ―という声も。これではストレスが増す一方だ▼人の気持ちは伝染するという。心の余裕を保てる職場づくりを進め、不機嫌や不快を断ちたい。

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2017/3/11 土曜日

 

東日本大震災から6年を迎えた。震災の年に生まれた子どもたちは今春、小学校に入学する。復興が進む被災地でも真新しいランドセルを背負い、桜の下で満面の笑みを浮かべる姿が見られるだろう▼しかし、6年という歳月が流れた今もなお、岩手、宮城、福島3県の約12万3000人が避難生活を余儀なくされている。うち約3万5000人がプレハブの仮設住宅におり、不自由な生活を続ける▼原発事故に伴い国が出した避難指示は、4月1日までに帰還困難区域などを除いた全地域で解除されることが決まった。だが避難指示が解除された区域では、住民が戻らないケースが目立つ▼原発事故で避難した児童、生徒へのいじめも次々発覚した。故郷に住めなくなった上、避難先で理不尽ないじめに遭う。「福島=放射能汚染」という誤ったイメージが差別や偏見を生み出しているのだ▼震災直後、危機を乗り越えようと日本全体が一致団結した。しかし、時間の経過とともに被災地への関心、被災者に寄り添う気持ちが薄れつつある。あの日感じたことをもう一度思い返してみよう。

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2017/3/10 金曜日

 

新生活が始まる春。初めてスマートフォンを持ったり、新機種に変えたりする人も多いのでは。昨年3月の消費動向調査では、スマホの世帯当たりの普及率は67・4%となり、携帯電話(64・3%)を上回った▼「ワトソン君、ちょっと来てくれたまえ」。米国の発明家グラハム・ベルが1876年3月10日、通話実験に成功した。隣の部屋にいる助手に対しての言葉が人類史上初めての通話▼時は流れ約140年後の現代、固定電話はコードレスになり、携帯電話やスマホが登場。肌身離さず持ち歩くようになった。通話だけでなくメールや写真を送り、ニュースを見たり、ゲームを楽しんだりと何でもできる▼いつでもどこでも連絡を取り合えるのはありがたいが、たまに窮屈に感じることもある。のちにグラハム・ベルは「どうして電話を発明してしまったんだろう」とよく冗談半分に言っていたそうだ▼考えにふける書斎には電話を置かせなかったといい、その心境は「電話君、ちょっと離れてくれたまえ」といったところか。時々距離を置きたくなる心境は現代人にも通じるようだ。

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2017/3/9 木曜日

 

津軽笛奏者「佐藤ぶん太、」さんの演奏を東京・赤坂で聴いた。青森市出身で元テレビアナウンサー中村雅子さんが太宰治作品などを朗読する「津軽語り」とコラボしたイベントだった▼佐藤さんが、わざと大げさに言ったと思うのだが、「津軽の人なら簡単に横笛が吹ける」という旨の紹介をしたものだから、冬夏言子は「そうなの?」と周囲にいた先輩方の顔を思わず見てしまった▼先輩方は「当然だべ」という顔でうなずいていた。町内とか学校とかでねぷたを運行しただろう。だから大抵は笛が吹けるもんだぞ―と言わんばかり▼そういえば、子どもの頃からねぷた運行に参加してきたのに、なぜか笛を吹いてみようという気持ちにはならなかった。太鼓は随分たたいたのだが、笛は最初から難しいと諦めていたように思う。佐藤さんはその笛を世界に広め、芸術性を高めているのだ▼赤坂ではねぶた囃子(ばやし)も演奏してくれた。先輩の一人が「ラッセラー、ラッセラー」と踊り出す。津軽の人間の心も体も踊らす魂の音色だ。県人はもちろん、会場にいた聴衆全員を酔わす、魅力の響きだった。

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