冬夏言

 

2019/8/27 火曜日

 

2022年早期の運営開始を目指す新中核病院の概要が示された。20年前期には同病院の新棟建設が始まる▼新中核病院は国立病院機構弘前病院と弘前市立病院を統合し、弘前病院の敷地内に整備するもので、病床規模は450床程度、24診療科を見込む▼24日、地域住民を対象とした津軽地域医療フォーラムが開かれ、県の有賀玲子健康福祉部長や弘前病院の藤哲特別統括病院長が、県地域医療構想や新中核病院の概要を住民に説明した▼地域の第一線で活躍する医師らからは、医療現場の現状として「医師、コメディカル(医療従事者)ともに不足している」といった課題や、緊急性がないのに休日や夜間に受診する「コンビニ受診」を防ぐために「かかりつけ医や訪問看護師に相談してほしい」との対策、「市民が救急医療に対して意識を高め、一緒に地域医療を支えよう」というメッセージが伝えられた▼高度な医療環境や、24時間365日の2次救急医療の充実に期待がかかる新中核病院。一方でその体制を守るため、受診する側のマナーや正しい知識を持つ姿勢も求められている。

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2019/8/26 月曜日

 

音楽、特にロック分野では「初期衝動」という語が頻出する。表現したいものが生まれ、技量や経験を持ち得ずとも形にしようとする心向き、と言い表せばよいか▼19回目を迎えた全国高校ファッションデザイン選手権大会(ファッション甲子園)。一貫した審査基準である「高校生らしい瑞々(みずみず)しい感性」は初期衝動と似たものがある。今回もランウェイからあふれ出る若い力に圧倒された▼ただ、歴史を重ねた同大会、若さを出すだけでは評価に足りない。審査員長の大塚陽子氏らは講評で「引き算の美学」を説いた。時間をかけて素材にこだわり作る。それは当たり前だとして、余分な装飾をそぎ取っていくことが必要だ、と▼初期衝動を満たそうとすると、あれこれと作品の構成要素は多くなる。それのどこがぜい肉だと見るか、当人には難しい。はぎ取るものはどれも大切に見えるだろう。そんな洗練さを求めるあたりにステージの高さを思い知る▼惜しくも受賞はならなかったが弘前実業高校の「チョウ」には、その引き算の美を見た。勝手ながら冬夏言子から“陸奥新報社賞”を贈りたい。

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2019/8/25 日曜日

 

ねぷたにお盆、花火大会。夏のイベントを切り抜けほっとしたのもつかの間、消費税が10%に引き上げられるまであと1カ月程度に迫っていることに気付き、ぎょっとした▼商品の持ち帰りに適用される軽減税率に当たっては、以前から10%と8%の線引きの煩雑さが不安視されているが、いまだ解消の糸口は見えない▼国税庁の事例集によれば、遊園地で食べ物を購入し、売店が管理するテーブルや椅子で食べる場合は10%、食べ歩きや売店管理外のベンチでの飲食は軽減税率が適用されて8%。また、映画館や野球場でも、売店が管理するテーブルなどで食べる場合10%、座席で飲食すると8%になるという▼わざわざ買い物をする時にそこまで考えないといけないのかと思うだけでげんなりするし、店側も多種多様な客にすべて正解の対応ができるわけではないだろう。ともすると、同じ物を同じ条件で買った場合でも不平等、不利益が生まれかねない▼販売側にとっても消費者側にとっても不安な10月1日。増税まで残りあと1カ月で、状況がどう変わるのか変わらないのか動向を注視したい。

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2019/8/24 土曜日

 

茨城県の常磐自動車道で、男性が「あおり運転」を受けて殴られた事件以降、ニュースやワイドショーでは連日、全国各地で発生している同様の事案を取り上げている▼ドライブレコーダーに記録されているのは、何度も繰り返される急ブレーキや幅寄せ、蛇行運転など、重大事故につながりかねない危険な行為。車を止めて怒号を浴びせながら詰め寄る姿も珍しくない▼「運転を妨害された」「パッシングされた」「クラクションを鳴らされた」といった理由で、こうした危険な運転、暴力行為に及ぶことは決して許されない。あおり運転が減少する兆しは見えず、国は厳罰化などの対応を急ぐべきだろう▼他者の運転で「危ない」と思わされることは多々あるし、法定速度以下で走る車が前にいるとイライラが募る。しかし、怒りに任せて仕返し、嫌がらせをするのは愚の骨頂だ▼怒りを制御する「アンガーマネジメント」という方法がある。怒りのピークは6秒しか続かず、そこを我慢すれば徐々に収まっていくという。運転中にイライラを感じたら、頭の中で六つ数えて冷静になろう。

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2019/8/23 金曜日

 

きょうは二十四節気の一つ「処暑」。厳しい暑さが峠を越える頃とされ、津軽地方でもここ数日、特に朝夕は新涼を感じるようになってきた▼一方、人いきれの熱さが峠の途上にあると思われるのが香港の大規模デモ。直近の集会には主催者発表で170万人の市民が集まったが、主催側が「和平、理性、非暴力」を呼び掛けたことで参加者が暴徒化する事態には至らなかった▼このデモを例に、戦史研究家の山崎雅弘さんは香港と日本の「民主主義の成熟度」の差について「日本に民主主義が根付かないのは戦って勝ち得たものではないからと思っていたが、香港との違いは何だろう」とツイートした▼先日、岩手県の偉人を紹介する盛岡市先人記念館を訪ねた。4人の総理大臣を輩出した同県。特に展示スペースが広い反戦主義の第37代総理・米内光政の偉業や同県の自由民権運動史を知るにつれ「青森と岩手の違いは何だ」とも考えてしまった▼民主主義は手間と時間のかかる制度。制度の危機や政治的無関心が指摘される昨今、民主主義を支える新聞の公共的使命をいま一度肝に銘じたい。

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