冬夏言

 

2017/11/7 火曜日

 

昨秋に買った革靴で、昨冬は何度ひやりとしたことか。先日の雨で靴下がぬれたことで、ソールが真っ二つに裂けていたことが判明し、サラリーマンの新たな“相棒”を求め靴店へ▼新天地での通勤が徒歩になることと積雪事情を考えずに購入した革靴。靴底は平らでほとんど凹凸がなく、昨冬は圧雪された歩道に苦しんだ。不注意もあるが、事前の準備不足を反省▼冬季に屋外作業を行う業種では、特に転倒対策に注意を払う必要がある。県内で昨冬発生した労災は8割超が転倒災害。昨年12月には津軽地方で転倒により2人の労働者が死亡している。「滑って転んだくらいで」と軽んじることはできない▼労災を防ぐには事業主が率先して対策に取り組まなければならない。「滑りにくい靴を履く」など、当たり前にできることも一つ一つ、日々しっかりとチェックすることが重要▼きょう7日は冬が始まるとされる立冬。革靴はもちろん滑りにくいものを選び、自家用車も冬タイヤに交換した。雪国育ちは冬に転ばないことで証明するのではなく、事前に施した対策で証明するものだろう。

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2017/11/6 月曜日

 

少子高齢化や人口減少などのあおりを受け、五所川原市の金木高校市浦分校が、今年度末で閉校する▼同校は1953年、金木高校相内分校として設置されて以降、64年の歴史を刻んできた。昼間定時制で、これまでに400人の卒業生を輩出してきた▼2001年には、現校舎となる旧脇元小学校校舎に移転。これを契機に、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈り靄山に登る地域の伝統行事「脇元お山参詣」に参加し、高齢化が加速するその地域で若い力として根を下ろしてきた▼4日の閉校式には全校生徒9人やOBらが出席。生徒会長の竹ケ原藍花さんが「市浦分校は自分らしくいられる所。感謝でいっぱい」と語り、勉学だけでなく、学びやで触れ合った人の温かさを伝えた▼少子高齢化や人口減少が進む中、地方の高校は徐々に姿を消し、地域の活力ある若い力は減る一方だ。学校が地区の中心部にあれば、学びたい場所を求めて子どもたちも中心部へと流れる。子どもたちのニーズに応え、学びたい場所を確保しながら、同時に地域を守ることはできないものだろうか。議論は尽きない。

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2017/11/5 日曜日

 

「ごめんね、運転代わってあげられなくて」。先日弘前市に里帰りした友人が、ドライブ中に助手席でつぶやいた。数年前に運転免許の更新をやめたという。東京住まいで車がなくても困らないから―と話しながらも、少し後悔している様子だった▼長年車に乗り続けてきた高齢ドライバーが免許を手放すとなれば、なかなか決心がつかない人も多いだろう。特に公共交通が手薄な地域の住民に対しては、対策が急がれる▼警察庁のまとめ(暫定値)によると、3月の改正道交法施行から9月末までに全国で認知機能検査を受けた人のうち、認知症の恐れがあると判定された75歳以上のドライバーは3万170人。このうち674人が医師の診断後に免許取り消しとなった▼免許を取り消された人は、検査を受けなければ運転能力が衰えたという自覚がないままハンドルを握っていたことになる。検査の必要性が数字で示された形だ▼運転できなくなる日はいつか来る。時には公共交通を利用するなど備えを心掛けるとともに、身近に高齢ドライバーがいたら運転の変化を見逃さないようにしたい。

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2017/11/4 土曜日

 

警察庁の統計によると、国内の年間行方不明者は毎年、8万人を超える。自治体規模の人口が消えている事実に空恐ろしさを感じるが、このうち7割は1週間以内に発見される。だが、とうとう行方不明のまま、見つからないケースも▼神奈川県座間市で、凄惨(せいさん)極まる事件が起こった。現場は閑静な住宅街のアパートの一室。男女合わせて9人もの人間が殺害された後、頭部や骨がクーラーボックスに収納されるという、身震いするような事件だ▼捜査当局には「被害者は(行方不明の)うちの子どもではないか」との問い合わせが複数、寄せられているという。今回、容疑者と被害者を結び付けたとされているのが、ツイッターなどインターネット交流サイト(SNS)を通じた“自殺志願者”の募集だったとされる▼「自分一人で死ぬのは怖い」「誰かと一緒に」「この気持ちを分かってほしい」―。そんな被害者の思いにつけ込んだのではないか▼“現代社会”“ネットの闇”と安易にくくるべきではない。何が犯人を駆り立て、犯行に及ばせたのか。まず何より、被害者の身元確認が急がれる。

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2017/11/3 金曜日

 

貨幣が流通し、町人の街として大発展を遂げた江戸。人々が学問や娯楽に時間を割くようになったことは、当時詠まれた川柳からもよく分かる▼〈貸し本屋にこりにこりと見てあるき〉。出版技術の向上で庶民にも読書が浸透したが、購入にはまだまだ高価な時代。貸し本屋は書物を背負って街を歩き、ベストセラー小説から硬派な戦記物まで、さまざま貸し出した▼江戸期には老若男女が熱中した囲碁。中にはこんな人が〈石は生きたが死に目には合はぬなり〉。将棋では〈へぼ将棋王より飛車をかわいがり〉。初級者だろうか。王将よりも大駒を大事にしてしまう気持ちはよく分かる▼俳諧に関する句も多い。〈俳諧はいもだが表徳は立派〉。表徳は別名(俳号)のこと。俳諧の芸術性を高めた芭蕉の名句はパロディーに。〈古池にその後とび込む沙汰もなし〉▼太平の世の江戸のように、文化は心や暮らしに余裕があってこそ発展する。第4次安倍内閣が始動し、首相は改憲議論を呼び掛けた。きょうは文化の日。戦争放棄を宣言した日本国憲法の公布日に、この国の平和の針路を改めて考える。

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